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脳神経外科(痙縮治療)

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脳神経外科

痙縮とは?

 脳や脊髄の病気や外傷により、身体の筋肉の緊張が異常に高まった状態(つっぱりが強くなった状態)を痙縮と呼びます。病気や外傷の後、長期間が経過した患者さんにとって、適度な痙縮の存在は立位や歩行の際の支持性を高めるという部分では有利に働くこともあります。しかしながら、一方で痙縮により運動機能の回復が妨げられたり、手足の関節が固まってしまう(これを拘縮と呼びます)ことがあります。さらに痙縮のある患者さんに特徴的な手足の変形(肘が曲がったまま伸びづらい、手足の指が曲がったまま伸びづらい、立位や歩行の際に踵から接地することができない等)が進行したり痛みの症状が出現すると、立位や歩行が不安定となり、リハビリテーションや日常生活に支障が生じてしまうことも考えられます。このような痙縮による悪影響が強い患者さんは痙縮治療の対象と考えられます。

痙縮の治療

 当院では脳神経外科の専門的な見地から、患者さんの痙縮について多職種による評価を行い、患者さんに適した治療及びその後のフォローを行っております。

【主な治療法】
1)リハビリテーション(運動療法、装具療法など)

当院では、最先端リハビリ法「FES(機能的電気刺激)」を行っております。 FES(装具型表面電極刺激装置)とは、麻痺した手足の筋肉に、コンピュータ制御された電気刺激を与え、筋肉の伸筋や屈筋などをさせることで、失われた機能の再建を図るものです。 一般的なリハビリ機器は、適応する障害が限定されるが、FES(装具型表面電極刺激装置)は脳卒中や脊髄損傷で手足が麻痺した大多数の人が利用でき、レンタルによる在宅リハビリにも活用されています。また、発症から年月が経過し、回復が困難とされている「慢性期」の人にも、運動の改善が見られた例があります。

■国内の代表的な「FES」医療機器

・フランスベッド:「NESS H200TM」(上肢用)、「NESS L300TM」(下肢用)

・オージー技研:「アイビスプラス」「アイビス」(上肢用)

・帝人ファーマ:「ウォークエイド」(下肢用)

2)薬物療法(筋肉の緊張を緩める薬剤の内服)

3)神経ブロック療法

筋肉を緊張させている神経に薬剤を注射し筋肉の緊張を緩める

4)ボツリヌス療法

過緊張が認められる筋にボツリヌス毒素製剤を筋注します。ボツリヌス毒素製剤は神経筋接合部に作用し、筋緊張を改善します。作用は局所的で、臨床効果はおおむね2~3日で現れ、1~2週間で安定した後、3~4ヶ月間程度持続します。他の治療法との併用も可能です。症状の推移をみながら徐々に他の部位へ治療範囲を広げることもできます。当院では、事前の評価の上で必要と判断した患者さんに対して、積極的にボツリヌス療法を実施しております。また、いずれの治療法を選択する場合でも、リハビリテーションの実施は必須であると考え、理学療法士・作業療法士による運動療法や日常生活の指導、必要な患者さんに対しては補装具の作製や調整を行います。


5)髄腔内バクロフェン療法(ITB療法)

 写真:バクロフェン持続髄注用ポンプ

痙縮(筋肉の緊張)に効果のある薬を脊髄の周囲(髄腔)に直接(持続)投与することで、症状をやわらげる治療法です。おなかの皮膚の下に薬剤注入用のポンプを植え込みます。全身性で比較的重度痙縮の方を対象とします。治療担当医は、当該治療が保険適応になった2006年より積極的に手術を行っており手術件数は全国の中でもトップレベルです。

【治療の流れ】

ポンプなどをお腹に植え込む手術を行う前に、バクロフェンの効果があるかどうかを確認するための判定テスト(スクリーニング)を行います。

(1)判定テスト(スクリーニング)

1~2日間入院して行います。ベッドに横になって頂き腰椎穿刺を行い、バクロフェン50μgを髄腔内に投与します。バクロフェン注入1~8時間後に痙縮の評価を行い、効果があると判断されれば手術適応となります。効果がなければ24時間以降に投与量を増やして再度、判定テストを行います。バクロフェンの投与量は最大100μgで、この量で効果がなければ手術適応はありません。


(2)ポンプ植え込み術

判定テストで効果が認められた患者さんで治療の継続を希望される場合には、後日ポンプおよびカテーテルの植え込み手術を行います。
手術は全身麻酔で行います。側臥位で腰椎穿刺を行い、カテーテルを髄腔内に挿入します。カテーテルの先端はX線透視装置で確認します。次にカテーテルを皮下に作った皮下トンネルを通してお腹まで持って行きポンプと接続し、ポンプをお腹の皮下(または筋層下)に植え込みます。

(3)ポンプ植込み後の管理

ポンプ植込み後は定期的なバクロフェンの補充(リフィル)とポンプの動作確認が必要です。薬の補充は通常2~3ヵ月に1回の間隔で行います。ポンプの入っているお腹に局所麻酔を行い、ポンプに細い針をさして薬液の注入が可能ですから、外来の診察の際に行うことができます。また、ポンプ内の電池の寿命は5~7年です。そのため、電池が切れそうな時期に入院していただき、全身麻酔下で新しいポンプと交換する必要があります。