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放射線科(治療と検査)

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放射線科

放射線治療

 がんの治療法は大きくわけて、手術、化学療法(薬物療法)に放射線治療を加えた3つの方法があります。放射線治療は体にメスを入れることなく病巣を治療できるので、臓器の形態や機能を温存することが可能で、体への負担が少ない治療法といえます。近年は放射線治療の技術の進歩により、副作用が少なく患者さんに優しい治療が可能となってきています。
 当科ではTrueBeam® Varian Medical Systemsが導入され2018年5月より稼働を開始しております。豊富な経験を持つスタッフ(放射線治療専門医、放射線技師、看護師)による診療体制で、患者さんに優しく効果的な放射線治療を提供できるよう努めております。


最新の高精度放射線治療装置(TrueBeam)による治療(2018年5月時点)

・回転IMRT(回転型強度変調放射線治療:VMAT)
・脳定位放射線治療
・体幹部(肺がん、肝臓がん)に対する定位放射線治療
・通常照射(乳がん、食道がん、転移性骨腫瘍、全脳照射など、全部位に適応)

高精度放射線治療装置

 特に、転移性脳腫瘍では固定具システムと高精度位置精度照合システムの併用で、痛みを伴わない定位照射が可能です。最新の高精度放射線治療装置(TrueBeam)を導入し、回転IMRT(強度変調放射線治療)をはじめとし脳定位放射線治療、体幹部(肺がん、肝臓がん)定位放射線治療から、従来行ってきました通常照射まで行うことが可能です。
 放射線科では、放射線治療医2名、医学物理士認定を有する診療放射線技師、放射線治療認定看護師など充実したスタッフにより、 患者さんや家族の方々に安心して放射線治療を受けていただくことを心がけております。初期治療として完治を目指した治療を行うことはもちろんですが、以前に何らかのがん治療を受けられた方で再発や転移があっても治療の適応となることがありますのでご相談下さい。各診療科と連携し、高精度放射線治療を用いることにより、患者さんの病態や生活背景に合った最善の治療を提案いたします。

放射線治療の通常照射に加えて、
下記の高精度放射線治療もおこなっております。
脳定位放射線治療および肺・肝臓の定位放射線治療
前立腺、頭頸部、頭部などのIMRT
※その他、適応のある症例には、様々な部位へのIMRTも行なっております。

実際の治療の流れ

 いずれのがんであっても、現在診療を行っている科からの紹介という形で放射線科を受診して頂きます。放射線治療医の診察において、放射線治療の適応があると判断されると、まず初めに放射線治療専用のCTを撮影します。このCT画像をもとに、放射線治療医が、患者さんにとって最良の治療計画を作成します。治療計画作成には数日~1週間程度を要します。その後に放射線治療が始まります。ただしIMRTの場合は、治療計画作成や検証(実際に正しく照射できるかの確認作業)などに時間を要するため、治療開始まで2週間程度が必要になります。
放射線治療は基本的に平日毎日です。つまり、治療期間中の平日は連日の通院が必要になります。治療は1日1回で、1回の治療時間は15~20分程度です。治療期間や1回あたりの治療時間の長さは病気の種類や治療目的などによって変わります。


放射線治療の進め方

 放射線治療の通常照射 に加えて、下記の高精度放射線治療もおこなっております。脳定位放射線治療および肺・肝臓の定位放射線治療。前立腺、頭頸部、頭部などのIMRTを行っております。
※その他、適応のある症例には、様々な部位へのIMRTも行っております。

◆外来・面談
 治療方針を決定するために、医師による診察を受けていただきます。また、最適な放射線治療を受けていただくためにPETやMRI検査等を受けていただく場合があります。

◆看護師によるアセスメント
 放射線治療を行うことが決定すれば、患者さんからの生活状況や要望、治療を進めていくうえでの不安などをお伺いし、治療期間中の食事など治療期間中の注意事項をお伝えします。また、最後まで安心して放射線治療を受けていただけるよう、必要に応じて看護師による面談を行い精神的なサポートを行います。

◆固定具の作成
 正確な放射線治療を受けていただくために、治療する部位や体に合った固定具の作成を行います。作成時間は15分~30分程度です。


◆治療計画用CT撮影
 放射線治療の計画を行うために、作成した固定具を装着してCT撮影を受けていただきます。通常のCT検査と変わりませんが、場合によっては造影剤も使用します。


◆治療計画(治療計画の作成)
 撮影したCT画像やMR画像などの参照画像をもとに、放射線治療の専門医を中心に医学物理士などスタッフが専用のコンピュータ三次元治療計画装置を用いて、最適な放射線治療計画を作成します。


◆治療計画(治療計画の検証)
 立案された治療計画が安全かつ正確に行われるか、専門のスタッフ(医学物理士、放射線治療専門技師、品質管理士等)が治療計画の検証を行います。


◆治療開始
 治療計画の検証作業で安全が確認されれば、治療計画に基づいて病巣部に放射線を照射していきます。照射方法によって時間は異なりますが、通常で15分程度の照射となります。照射による痛みは全くありません。


◆経過観察
 照射期間中は毎日の簡易的な診察と、週に一度の定期診察を行います。また、放射線治療における効果、副作用などの適切な対応のためにも、照射終了してからも定期的な受診をしていただく場合もございます。

◆放射線治療での看護師の取り組みについて
 現代のがん治療において、放射線治療は根治から症状緩和まで、幅広い適応があります。しかし、患者様やご家族の中には、放射線についてよく分からない、何となく怖い、などのイメージを抱き、放射線治療を受けることを躊躇されたり、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。このような患者様やご家族の不安を少しでも和らげるために、治療前だけでなく治療期間中も定期的に看護師による面談を行うことで、患者様の現在の体調やライフスタイルに応じたきめ細やかな指導を行っていくことが重要であると考えます。当センターで行っている放射線治療中の定期面談についてご紹介します。

◆看護師定期面談で行っていること
 放射線治療を受ける上で、治療中の副作用の発生は避けられませんが、日常生活に注意することで、症状を軽減したり、回復を早めたりする事ができます。そのために看護師は、医師の診察とは別に定期面談を行う事で、患者さんの日常生活習慣や健康状態、セルフケア能力を把握した上で、お一人お一人に合った指導や介入を行い、患者さんが安全・安楽に治療を完遂できる様にご家族を含めサポートしています。また当センター独自の取り組みとして、患者さん自身が副作用の経過を少しでも理解しやすくなるよう定期面談時には「ケアマップ」というパンフレットを用いた指導を行っています。ケアマップとは、照射部位や疾患によってどのような副作用がどのような時期に生じやすいか、またその副作用の症状について日常生活の中でどのような点に注意して対処していけばよいかを1枚の表で示したものです。ケアマップを用いることで、患者さんやご家族が、治療経過を視覚的に把握し、看護師と一緒に確認や相談がより容易にできるようになっています。定期面談では、副作用以外の面でも、患者さんやご家族からの不安や疑問に出来る限り対応しており、これまで治療を受けられた多くの方から、面談に対する満足の声をいただいています。


定位放射線治療

 定位放射線照射(Stereotactic Irradiation:STI)治療とは、病巣・腫瘍に対し多方向から放射線を当て、狙った病巣に放射線を集中させる治療方法です。
 今までの放射線治療と比較し、周囲の正常組織に当たる放射線量を出来る限り減少させることが可能となっております。 当院の定位放射線治療では、治療装置や患者さんを固定する精度をミリ単位で管理可能となっておりますので精度の高い治療を提供できます。中枢神経系・脊椎への定位放射線治療は、診療報酬上の条件に則り適応部位への保険適応を行なっております。
治療にかかる費用のご心配があると不安になられ治療を諦めてしまう方もおられます。まずはご相談いただき治療に付いての不安を少しでも解決してください。 ご不明点、ご心配のことはお気軽にスタッフにご相談ください。


◆脳腫瘍への定位照射について
 当院では原発性・転移性脳腫瘍に対して「TrueBeam」を用いた定位照射を行っております。
定位照射は、SRS(1回照射)もしくはSRT(分割照射)ともに対応可能です。
なお、複雑な形状の病巣に関しては新しい照射方法であるVMAT(回転型IMRT)の技術を用いて、より病巣の形状に即した線量分布での照射を可能としました。
また、良性脳腫瘍などへの定位照射においては、脳神経などの重要臓器の機能温存を期し、通常分割照射での定位照射(Conventional fractionated SRT)を積極的に施行しています。
照射にかかる時間は従来の定位照射と比べて非常に短時間で行なうことができ、SRS(1回照射)もしくはSRT(分割照射)ともに1回の照射でかかる時間は15~30分程度です。


◆転移性脊椎腫瘍への定位照射
 脊椎腫瘍への照射については、可能な場合は定位照射で対応しています。
正常組織(正常な脊髄)への線量を抑えて、腫瘍部分に線量を集中させることを目的としています。

 脊柱管内への進展を指摘され、
放射線治療を施行。VMATを行う
ことで脊髄線量を抑え、病巣への
高線量照射が可能である。


◆肺がんに対する定位放射線治療と保険適応について
 体幹部定位放射線治療は、肺がん、肝臓がんの症例に対して適応になります。
 【肺がん(腫瘍)に対する定位照射の保険適応】
  ①リンパ節や他臓器に転移がなく、大きさが最大5㎝以下の原発性肺がん
  ②肺以外に転移のない3個以内の転移性肺がん
 体幹部定位放射線治療を実施する際には、毎回の照射中心の誤差が5mm以内となるような位置精度を実現する必要があります。また、肺は非常に呼吸による移動が大きい臓器であり、そのような照射時の誤差をできる限り減らすための手法が望まれます。

〇 肺がん(腫瘍)に対する高精度放射線治療の例

  (A) 治療前     (B) 治療中    (C) 治療後半年
VMATを用いた肺定位照射の実例。右上
葉の原発性肺がん(A)に対して、定位照
射を施行(B)。治療後半年後には病巣の
消失が確認できる(C)。


【治療回数・線量・期間】
 治療回数および照射線量は、50Gy程度/4-5回照射で実施し、治療期間は1週間以内となります。腫瘍の部位などに応じ、期間は延長されることがあります。

【治療手順】
  1. 毎回の治療時に体や病巣の位置を正確に再現する目的で固定具を作成します。固定具はからだを締め付けることなく、苦痛は伴いません。体型に合わせて作成した固定具の上に寝て頂きます。肺病巣の特徴として、呼吸と共に上下・前後左右に周期的に移動することが挙げられます。正確に照射を行うためには、呼吸による移動をしっかりととらえる特別なCTの撮像(4D-CT)を行い、呼吸と同期させた画像を取得することにより、腫瘍の呼吸性移動を正確に治療計画に反映させることが可能となっています。
  2. CT撮像後、1週間から10日後に放射線治療を開始します。実際の治療時間は、病巣の部位や照射方法によっても異なりますが、最大で30分程度です。治療の部位によっては、専用の腹帯で腹部を圧迫することはありますが、それ以外、患者様は治療装置の上で寝て安静を保って頂くだけであり、照射中に苦痛は一切ありません。
  3. 日々の照射では、正確な照射位置精度を担保するためにTrueBeamに搭載された種々の照射位置照合装置(Cone-beam Computed Tomography: CBCT)や位置補正機能(6-dimension correction system)による、画像誘導放射線治療(Image-guided radiotherapy: IGRT)を実施しています。
*肺定位照射は、体への負担少なく外来で行える安全な治療ですので、当科でも積極的に実施して
 います。適応の有無などに関しましても、遠慮なくご相談ください。

◆肝がん(腫瘍)に対する定位放射線治療と保険適応について
 肝臓に対する定位放射線治療は平成16年4月1日より以下の疾患に対して保険適応となっています。
  ①原発性肝がん(直径が5cm以内、かつ他に転移のないもの)
  ②転移性肝がん(直径が5cm以内、かつ3個以内、かつ他に転移のないもの)

【治療回数・線量・期間】
 治療回数および照射線量は治療前の肝機能を考慮し、40Gy程度/4-5回照射で実施しています。腫瘍の部位などに応じ、期間は延長されることがあります。

【肝がん(腫瘍)に対する回転型強度変調放射線治療:VMAT】
  当院では体幹部定位放射線治療の適応とならないようなサイズや、門脈腫瘍栓や静脈腫瘍栓等の著明な脈管浸潤を認めるような症例については、肝臓外に明らかな活動性病変が指摘されない状況であれば回転型IMRT(VMAT)を用いた放射線治療も検討しています。


前立腺がんに対する密封小線源治療

 当院では泌尿器科と共同で、前立腺がんに対する密封小線源治療を積極的に行っています。当院では全国有数の治療経験を有しており、非常に良好な治療成績が得られています。
 この治療は、径1mm弱、長さ5mm程度の小さなチタン製カプセルを前立腺内に50-100個程度埋め込む治療です。カプセルの中には放射性ヨウ素125という放射線物質が密封されており、前立腺を内部から直接照射することができます。放射線は時間をかけてゆっくり放出され、1年後には放出量はほぼゼロになります。埋め込まれたカプセルは取り出されることはなく永久に挿入されたままとなります。
 治療内容の詳細は当院泌尿器科ホームページに掲載のある説明パンフレットをご参照下さい。

※泌尿器科担当医師の診察の後、本治療の適応となった場合に放射線科外来を受診して頂きます。また、患者さんによっては、小線源治療の1-2か月後に外部からの放射線治療を要するケースもあり、IMRTによる放射線治療を行っています。


放射線治療のご相談・ご予約

 放射線治療についてのご相談・ご予約は主治医からの紹介が必要となります。
 ご紹介にあたり診療予約をされる際は患者さんの待ち時間短縮のため完全予約制となっております。詳細は下記リンク先をご参照ください。

 また、当科は外来のみのため、放射線科での入院対応は行っておりません。
入院での放射線治療を希望される場合、連日の通院が明らかに困難な場合、放射線治療を含めた当該疾患の治療施設を当院へ完全に変更したい場合などには、放射線科ではなく、当院当該科へご紹介・ご相談ください。その後、当院当該科より当科への放射線治療依頼という形式をとっております。あらかじめご了承ください。

◆放射線治療の初診予約について
・完全予約制です。
・原則は医療機関からのご予約(下記1)をお願いしております。

  1. 紹介元の地域医療連携室(または依頼医)からのご予約
    ・医療機関専用番号: 048-485-1616におかけください。
    ・紹介状と必要な画像(CD-R)をご用意ください。
    ・事前に
     ①.紹介状のFAX:048-462-1268(お電話いただいた当日)
     ②.必要な画像(CD-R)の郵送:当院放射線治療科宛て(予約日2日前必着)
     をお願いしております。
    ・予約日が近い場合は、必要な画像(CD-R)は患者さんにお渡しください。
    ・患者さんは予約日に紹介状と、(お持ちの方は)必要な画像(CD-R)をもってご来院ください。
  2. 患者さんご自身からのご予約
    ・予約専用電話:048-462-1201(平日8時30分~12時30分)におかけください。
    ・ご予約できるのは紹介状をもった患者さんのみです。
    ・患者さんは予約日に紹介状と、(お持ちの方は)必要な画像(CD-R)をもってご来院ください。

    *CD-Rを当日持参する場合は、画像取り込みに時間を要するため、予約時間の1時間ほど前にご来院
     ください。
    *放射線治療に関する各種ご相談は、代表電話:048-462-1101(平日9時~16時)におかけくださ
     い。担当者が対応いたします。
    *放射線治療を行っている時間は、原則平日9時~15時です。
     外来での放射線治療は予約制となっています。混み合っている場合は時間のご希望にそえないことも
     ございます。予めご了承ください。
    *当科は病床がありませんので、放射線科での入院対応は行っておりません。

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