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呼吸器外科(呼吸器外科診療Q&A(胸腔鏡による肺がん手術篇))

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呼吸器外科

呼吸器外科診療Q&A~胸腔鏡による肺がん手術篇

ここでは肺がんの内視鏡手術(=胸腔鏡手術)に関して、よく尋ねられる質問とその回答を
記述しておきました。

肺がんの手術全般に関することはこちらを、検査・診断についてはこちらのページをご覧ください。

Q)肺がんの治療として胸腔鏡(内視鏡)手術はできますか?

A)全てではありませんが、できます。

もちろん、できない手術もありますが、今日、手術適応とされる肺がん手術では、よほど条件が悪くない限り、ほとんどできるようになっています。胸腔鏡手術が肺がんに応用されるようになって、およそ20年ほどです。開発当初は肺がんに、内視鏡手術を応用することに強く反対する意見もありましたが、肺がんに対する内視鏡手術の件数は国内の統計では、年々増え続けており、肯定的に捉える医師は増えています。また当初は、比較的容易な術式しか行われないことも多かったようですが、現在では、複雑な手術もできるようになり、開胸手術に劣るとも勝らない手術や、胸腔鏡ならではの手術が行われるようになっています。ただ、胸腔鏡で実施できる手術の範囲や難度の高さやは施設によって大きく異なるようです。

内視鏡手術を肺がんの治療として行うことの是非については、よく担当の医師とご相談されるようお勧めします。納得がいかない場合はセカンドオピニオンなどもご利用になるといいでしょう。

Q)胸腔鏡(内視鏡)手術は肺がん手術では良くないと聞いたのですか?

A)肺がんの手術に内視鏡手術は不適当だという意見は、少なくなりましたが、根強くあります。

理由として、内視鏡手術が開胸手術より優れていると示すデータがないこと、内視鏡手術ではできない手技も開胸ではできる可能性があること、内視鏡手術は習練が必要で一部の外科医にしかできないが、開胸手術は遍く外科医に普及した技術であること、臓器を触れることで初めてわかる所見があること、手術の時間がかかること、麻酔の負担が大きいこと、手が入ることで対処できる緊急事態があること、若手の教育のために開胸手術が必要なこと、等々です。多くの先駆的外科医の努力と医療機器の進展によって、これらの問題はほぼ解決されつつありますが、挙げられた理由それぞれは間違いではありません。一部の外科医の中には、このような科学的な反証を盾にせず、ただ個人的信条として内視鏡手術に反対しているケースもあるようです。
是非はともかく、肺がんに対する内視鏡手術は年々実施件数が増え続けているのは事実です。ここでは良い悪いの判断は示しません。担当医によくご尋ねになり、最後はご自身で肺がんに内視鏡手術をするのが適当がどうか判断してください。

Q)胸腔鏡(内視鏡)手術が肺がん手術で増えているのですか?

A)増えています。

増えている最大の理由は、やはり患者側の需要が高いからだと思います。また、外科医側にも効能を認める人が増えてきたことが、次の要因でしょう。長年、胸腔鏡手術を実施してきた私どもの印象として、やはり手術のキズの大きさや、肋骨(あばらの骨)や切断する筋肉の量などを減らすにしたがって、術後の回復は早いように思われます。古典的な開胸手術の大きなキズでも、回復は早くなっていることも事実ですが、平均すると、やはり胸腔鏡手術に軍配が上がるように感じます。これを数値で証明することはまだできていませんので、科学的には両者に差はないということではありますが、実際に術後の患者さんを何人か見れば、ほとんどの人はそう感じるようです。当科の関係者で、敢えて自分は開胸手術を受けたいと思う者は、有難いことにほとんどいないようです。

それに加えて、胸腔鏡手術の技術が保険診療でも高く評価されるようになって、苦労してでもやろうという外科医が増えてきていることは否定できません。外科医のモチベーションが上がると、その手術は急速に普及しますが、同時に技術格差も大きく広がっているようです。中には、これで胸腔鏡と言えるか首をかしげるような手術も行われているようであり、残念な限りです。

Q)気管支鏡で肺がんの治療はできないのですか?

A)一部の肺がんでは行われています。

気管支の内腔側にできた薄く小さい肺がんでは、気管支鏡による治療が実施できます。条件が厳しく、なかなか該当する肺がんは多くないです。治すことを目的としない治療(姑息的治療といいます)として、がんで詰った気管や気管支にレーザーで穴をあけたり、詰りかかった気管や気管支を無理やり拡げるステント治療などがありますが、気管支鏡だけで外科治療を行うことは通常ありません。

Q)縦隔鏡で肺がんの治療はできないのですか?

A)基本的に、縦隔鏡は検査用の装置です。

縦隔鏡は首の付け根を切開して、気管の前を胸の方向に入れていく内視鏡です。この検査は全身麻酔で行います。

気管の周りにはリンパ節と呼ばれる組織がいくつかあり、肺がんが進行すると、気管の周りのリンパ節に転移することがあります。以前は縦隔鏡を使って気管の周りのリンパ節を取り、転移の有無を調べる検査法が盛んにおこなわれていたこともありますが、我が国では、精度の高いCT検査が普及していることと、局所麻酔でできる気管支鏡で、気管や気管支周囲のリンパ節も一部取って調べられるようになったことなどの理由で、行われることは少なくなりました。

一部の縦隔腫瘍で、縦隔鏡を使った切除が報告されることもありますが、一般に普及した手技ではありません。

Q)肺がん以外でも胸腔鏡手術はできますか?

A)多くの疾患で可能となっています。

保険改正のたびに、徐々に保険がきく手術が増えています。保険がきかない病気でも技術的には可能なものもありますが、自費診療となり、医療機関によっては、そのような手術は行わないこともあります。かかっている医療機関の担当医とご相談ください。

Q)胸腔鏡では病巣がわからないことがあるのですか?

A)あります。

胸腔鏡は肺という臓器の表面を観察するものであり、肺の内部に病巣がある場合、病巣は直接見えません。肺の表面に出来た間接的な所見を頼りに病巣を推測できることもありますが、見るだけでは限界があります。肺は柔らかいので、触って見ると硬い病巣なら、わかります。近年はCTでしかわからないような、小さく柔らかい肺がんが増えており、外科医泣かせです。小さな傷を通して、指を伸ばして病巣を触って探そうとする姿は、とても最新の外科技術とは思えないものですが、触診なしではわからない病巣が増えつつあります。

Q)胸腔鏡手術は料金が高いのですか?

A)開胸手術より手術料は高いです。

例えば標準的肺がん手術の場合、開胸手術では、凡そ70万円、胸腔鏡手術では凡そ90万円くらいです(手術料だけです。平成26年度の診療報酬を元にしています)。これは、胸腔鏡手術の難易度が高いという意味での、技術的評価という意味と、手術に用いる器材の材料費が開胸手術よりかかるということから、高めに設定されているのだと思います。

胸腔鏡手術にもさまざまな種類の手術があり、手術の種類によって30-90万円程度の幅で手術料も異なります。

医療費の実際は、手術料以外にもかかりますし、治療(入院)期間などでも変わります。あくまで参考にとどめてください。

Q)胸腔鏡で手術した場合、入院費はどのくらいかかりますか?

A)あくまで目安ですが、凡そ100~150万円くらいの診療費がかかります。(当科で肺がんの標準的手術(肺葉切除と縦隔郭清)を胸腔鏡で行い、総入院期間が1週間であった場合の目安)

実際にお支払いになるのはこの3割(~1割)であり、さらに条件が合えば高額療養費負担制度が適用されて、実質負担額は数万円以下になるものと思われます。医療費の実際は、手術料以外にもかかりますし、入院した医療機関、治療(入院)期間などでも変わります。あくまで参考にとどめてください。

Q)ロボットによる肺がんの手術をおこなっていますか?

A)現在、当科ではロボット手術は行っておりません。

肺がんのロボット手術をご希望であるなら、まずロボット手術の装置がその医療機関にあるかどうかだけでなく、その病院の呼吸器外科で、その装置を使った肺がん手術を行っているかどうかをよくご確認のうえ、当該医療機関をご利用ください。