診療科・部門紹介
臨床検査科
概要
臨床検査科では、2018年より国際規格「ISO 15189(臨床検査室-品質と能力に関する特定要求事項)」(外部サイトにリンクします)に基づいた認定を受けており、この規格に基づき精度保証された検査結果を迅速に提供できるような検査体制を構築するとともに、技術の向上にも励んでおります。
臨床検査には、心電図検査、超音波検査など、患者さんを直接検査する生理検査部門と、患者さんから採取した血液や尿、喀痰などの検査を行う検体検査部門(検体生化学検査・血液検査・免疫血清検査・一般検査・輸血検査・細菌検査・病理検査)があります。
常に診断、治療に貢献できる検査結果の報告に努めております。
臨床残余試料等の取扱いについて
ISO15189認定証
スタッフ紹介
職名 | 氏名 | 学位 | 専門医・認定医等 | 専門分野 |
---|---|---|---|---|
臨床検査部長 | 荒牧 良彦 | 医学博士 |
日本専門医機構認定麻酔科専門医 日本麻酔科学会指導医・認定医 日本区域麻酔学会指導医・認定医 日本区域麻酔検定(JRACE) 麻酔科標榜医 学会認定・自己血輸血責任医師 緩和ケア研修会修了 |
麻酔科一般 |
臨床検査技師長 | 蓮尾 茂幸 |
【臨床検査科 資格取得一覧】
超音波検査士(消化器領域) | 6名 |
超音波検査士(体表臓器領域) | 3名 |
超音波検査士(血管領域) | 1名 |
超音波検査士(健診領域) | 2名 |
超音波検査士(産婦人科領域) | 1名 |
超音波検査士(循環器領域) | 5名 |
国際細胞検査士 | 1名 |
細胞検査士 | 3名 |
認定輸血検査技師 | 1名 |
認定病理検査技師 | 1名 |
認定心電図検査技師 | 1名 |
認定血管診療技師 | 1名 |
認定救急検査技師 | 1名 |
緊急臨床検査士 | 8名 |
二級臨床検査士(臨床化学) | 1名 |
二級臨床検査士(免疫血清) | 1名 |
二級臨床検査士(血液学) | 2名 |
二級臨床検査士(微生物) | 1名 |
二級臨床検査士(病理学) | 2名 |
二級臨床検査士(呼吸生理) | 1名 |
二級臨床検査士(循環生理) | 2名 |
2024年4月現在
検体検査部門の紹介(検体検査)
生化学的検査
血液中の酵素、蛋白質、脂質、糖質などの生化学的成分を測定することにより、肝機能や腎機能などがわかります。メタボ健診などでご存じの中性脂肪やコレステロール、血糖を検査しています。
血液学的検査
血液中の赤血球や白血球の数や細胞の種類の検査を行います。出血や血液を造る能力の低下による貧血や細菌やウィルスなどの異物から感染防御に作用する白血球の増加や減少を調べる検査です。
一般検査
尿や便を調べることは、各種疾患を知るために重要な検査となっています。尿では糖尿病や腎臓病が、便潜血では大腸癌の検査としては欠かせない検査です。
免疫学的検査
体の中に細菌やウィルスが入ると、免疫が作られ、体を守ろうと働きます。血液中に作られたその免疫(抗体)があるかどうかを調べています。
悪性腫瘍やホルモン異常、自己免疫疾患などの疾患を診断するための腫瘍マーカーやホルモンなどの検査を行っています。
検体検査部門の紹介(病理・細菌・輸血)
病理検査
内視鏡検査や針穿刺などで採取された検体(生検)や手術で摘出された検体から病気(疾患)の診断をする検査です。摘出された検体から標本を作製し、病理医が顕微鏡をみて診断を行います。主にがんや筋腫等の腫瘍性病変、炎症性疾患などは病理組織診断が最終診断となります。また、手術中の限られた時間内に凍結標本を作製し診断する『術中迅速判断』や、亡くなった死因を特定するための『病理解剖』も行います。
細菌検査
尿・便・痰・膿などの排泄物や血液・穿刺液(髄液・胸水・腹水)、組織など患者さんに由来するあらゆるものを検査の対象として扱い、感染症の原因菌となっている細菌をさがします。原因となる細菌では、どの種類の抗菌薬に対して効果があるのかを調べ(薬剤感受性試験)、臨床側(医師)に報告します。MRSAや多剤耐性緑膿菌などの耐性菌の検出状況を病棟別に集計し、感染防止対策委員会への報告や、感染防御チーム(Infection Control Team:ICT)、 抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)の一員として院内感染制御活動にも参加しています。
輸血検査
血液型(ABO式・Rh式)・不規則抗体検査・交差適合試験などの輸血に必要な検査を行っています。他には、輸血用血液製剤の受注から納品保管管理、貯血式自己血採血の介助および自己血製剤の保管管理を行っています。輸血業務は厚労省より出されているガイドライン等に準じて、厳正に行われています。なお、院内において輸血療法委員会を開催し、輸血実施状況や副作用発生件数などについて報告を行い、輸血全般について討議・決定し、日々患者さんが安全な輸血が行われるように努力しています。24時間態勢で常時、緊急検査に対応しております。
生理検査部門の紹介
心電図検査
心臓が動く時に発生する電位を体表面から記録して心筋梗塞や狭心症など心筋の状態や不整脈を診断する検査です。
負荷心電図検査
一定の運動等で心臓に負担を掛けて、安静時には発生しづらい狭心症や不整脈の診断をする検査です。
ホルター心電図検査
携帯用心電計を取り付けて長時間心電図を記録します。日常生活中の心電図の変化をとらえます。(夜間や朝方に症状の出やすい方に有用な検査です。)
脳波検査
脳の活動電位を頭皮上から記録して、てんかん等の脳疾患をみつける検査です。
呼吸機能検査
肺の機能を調べて、喘息、肺気腫などの疾患をみつける検査です。 肺活量の検査は手術前検査としても行われています。
ABI検査(足関節上腕血圧比)
両腕と両足首に血圧計を取り付け、手と足の血圧差より動脈硬化など血管障害を調べる検査です。
筋電図検査
体表の神経に微量の電気をあて、伝導速度を調べる検査と、直接筋肉に針電極を刺し、筋の活動電位を調べる検査です。糖尿病などの末梢神経障害やその他の神経障害をみつける検査です。
超音波検査
目的とする臓器(心臓・腹部・頸動脈・乳腺など)に体表から超音波をあて、その臓器の異常の有無を調べる検査です。