診療科・部門紹介
歯科口腔外科
概要
当科は2018年11月に開設され、入院患者さんの診療を中心に行って参りました。2020年4月より地域医療機関からの紹介患者さんの受け入れを開始致しました。現在、歯科医師4名(常勤3名、非常勤1名)と常勤歯科衛生士2名の体制で診療を行っております。また、2024年10月1日より公益社団法人日本口腔外科学会の准研修施設となりました。
対象疾患
あらゆる口腔外科疾患を対象としております。
具体的には、口腔顎顔面領域に生じる外傷(軟組織損傷、歯の脱臼、歯槽骨骨折、上下顎骨骨折および顔面骨骨折)、歯性感染症(顎炎、顎骨骨髄炎、歯性上顎洞炎および蜂窩織炎)、嚢胞性疾患、腫瘍性疾患、口腔粘膜疾患(難治性口内炎、口腔扁平苔癬および白板症)、顎関節疾患(顎関節症、顎関節脱臼および顎関節強直症)、神経疾患(三叉神経痛、舌咽神経痛)などです。また、智歯の抜歯術、埋伏歯の開窓術、小帯異常や骨隆起の切除術および根尖性歯周炎に対する歯根端切除術なども行っております。
有病者歯科医療
高血圧症や糖尿病をお持ちの患者さんや、骨吸収抑制薬,血管新生阻害薬および抗血栓療法を受けている患者さんなど、歯科治療時に医学的配慮を要する患者さんに対して口腔外科的な治療を行っております。その際は、医科の主治医と連携し、状況に応じて入院下での治療も行っております。
周術期口腔機能管理
周術期口腔機能管理とは、歯科が介入して口腔管理を行うことで医科治療時の合併症を予防または軽減し、医科治療の完遂を補助する支持療法のことです。当院で手術予定の患者さんに対して口腔衛生指導や歯性感染症の除去を行い、術後の誤嚥性肺炎や創部感染を予防しております。
また、がん治療のため化学療法や放射線治療を受ける患者さんに口腔管理を行い、口腔粘膜炎、口腔乾燥症、薬剤関連顎骨壊死および放射線性顎骨骨髄炎の予防に努め、発症した場合には治療を行っております。
医科歯科連携
摂食機能療法チーム、栄養サポートチーム(NST)および呼吸療法サポートチーム(RST)の病棟カンファレンスに参加し、患者さんの口腔内の評価や口腔衛生管理を行い、早期に退院できるようサポートしております。また、緩和ケア病棟のカンファレンスにも参加し、緩和ケア患者さんに生じることの多い口腔乾燥症、口腔カンジダ症および味覚障害などに対応しております。
受診を考えられている患者さんへ
当科を初めて受診される際は地域医療機関からの紹介状(診療情報提供書)が必要となります。紹介状を受け取られましたら、診療日にご予約の上、受診頂くようお願い申し上げます。なお、当科は口腔外科疾患を対象疾患としているため、通常の歯科治療(う蝕や歯周病の治療、義歯の調整など)は行っておりませんのであらかじめご了承下さい。
ご紹介頂く先生方へ
当科は、国立病院機構の共同臨床研究である「直接経口抗凝固薬服用患者における抜歯の安全性の確立に関する研究」に参加しています。本研究の目的は、直接経口抗凝固薬を服用中の患者さんに安全に抜歯術を行うためのガイドラインを作成することです。先生方の医療機関で、直接経口抗凝固薬(商品名:プラザキサ®、イグザレルト®、エリキュース®、リクシアナ®)を服用中で抜歯術が必要な患者さんがいらっしゃいましたら、当科へご紹介頂けると幸甚です。
最後に、外傷や炎症など緊急の場合は当日に対応致しますので、お気軽に地域医療連携室の医療機関専用ダイヤルへお電話下さい。当科は発展途上ですが、当院の理念である『この地の人々の健康といのち、そして安心のこころを守る』の実現に向けて、地域医療機関の先生方との連携を大切にして参ります。今後とも宜しくお願い申し上げます。
スタッフ紹介
職名 | 氏名 | 学位 | 専門医・認定医等 | 専門分野 |
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歯科口腔外科 部長 |
雨宮 剛志 |
博士 (歯学) |
日本口腔外科学会認定医・専門医 日本口腔科学会認定医 日本有病者歯科医療学会認定医 がん治療認定医(歯科口腔外科) 日本口腔顎顔面外傷学会評議員 ICD協議会インフェクションコントロールドクター 日本救急医学会ICLS・BLSコースインストラクター 歯科医師臨床研修指導医 日本歯科医師会産業歯科医 鶴見大学歯学部非常勤講師 |
口腔外科 |
医師 | 安川 仁章 | 博士 (歯学) |
日本口腔外科学会認定医 歯科医師臨床研修指導医 |
口腔外科 |
医師 | 大中 恵里子 | 日本口腔外科学会認定医 | 口腔外科 | |
医師(非常勤) | 長嶋 玲奈 | 口腔外科 |
外来初診担当医表
完全予約制 ・・・
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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雨宮 | 雨宮 | 雨宮 | 雨宮/安川 | 雨宮 |
安川 | 安川 | 安川 | ― | 安川 |
※ 当院はすべての診療科が予約制の診療となっております。(初診紹介予約制)
※ 当院での診察順は予約の患者さんが優先となっております。予約をしていない場合は、待ち時間でご迷惑をお掛けしますがご了承ください。
※ 来院をされた日に予約をしていない場合は、受診できない場合があります。
また、受診できる場合でもお待ち願う時間が長くなることが予想されますので、あらかじめご了承ください。
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研究業績 arrow_forward_ios
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研究論文
発表
年月筆頭演者・共同演者
(下線は当科スタッフ)題名 掲載誌 巻・号 頁 2024/9 雨宮剛志,長谷部充彦,米田栞奈,濱田良樹 カルバマゼピンによる薬剤性免疫性血小板減少症の1例 日本口腔科学会雑誌 73・3 243-250 2023/12 宮本豊,雨宮剛志,友成博 顎裂部への二次骨移植後に骨欠損部の空隙閉鎖を行った前歯部反対咬合を伴う成人両側唇顎裂症例 東京矯正歯科学会雑誌 33・2 133-139 学会発表
日程 筆頭演者・共同演者
(下線は当科スタッフ)演題名 学会名 場所 2024/9/29 松原陵太, 佐川卓也, 河原田尚, 村岡凛, 楠原司, 佐藤和将, 安川仁章, 郷家久道 第二大臼歯遠心から筒状の骨欠損を認めた異所性智歯に対して口腔内外アプローチを併用して抜歯した2例 第37回日本口腔診断学会・第34回日本口腔内科学会 合同学術大会 松本歯科大学大講堂 2024/7/13-14 鈴木あすな,長谷部充彦,雨宮剛志,重松宏昭,橘 竜佑,中岡一敏,濱田良樹 非外科的治療が奏功した顎関節症患者の顎関節腔内の病態について -MRI所見と臨床所見の比較- 第37回日本顎関節学会学術大会 あわぎんホール 2024/3/8-10 雨宮剛志,堀内俊克,福岡愛理,長谷部充彦,濱田良樹 口腔健康管理によって摂食障害を改善できた線状IgA水疱性皮膚症の1例 第33回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会 新潟グランドホテル 2024/3/8-10 秋谷勇介,小笠原邦茂,雨宮剛志,濱田良樹 完全房室ブロック由来の徐脈に対し, 一時的経静脈ペーシングを用いて全身麻酔下手術を行った1例 第33回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会 新潟グランドホテル 2023/11/10-12 堀内俊克,雨宮剛志,福岡愛理,加藤晃一郎,米田栞奈,濱田良樹 下顎骨転移を伴う乳がん治療中に発症した顎骨壊死の1例 第68回日本口腔外科学会総会・学術大会 大阪国際コンベンションセンター 2023/11/2-3 岡部賢司,今浦将治,比嘉真理,武田庸平,木幡雄至,宮田信也,畠山英司,大和田里菜,小峰淳,小林理沙,星野泰慶,渡部真弥,雨宮剛志,下村忠賛,長田麻衣子,菅野浩 口腔ケア・摂食嚥下チームにおける薬剤師の情報提供に対する他職種からの評価 第33回日本医療薬学会年会 仙台国際センター 2023/7/21-22 堀内俊克,福岡愛理,加藤晃一郎,雨宮剛志 破折迷入した注射針が事故後20時間で頸部皮下まで移動した1例 第24回日本口腔顎顔面外傷学会総会・学術大会 小倉リーセントホテル 2023/5/11-13 雨宮剛志,長谷部充彦,米田栞奈,濱田良樹 カルバマゼピンによる血小板減少症の1例 第77回日本口腔科学会学術集会 岡山コンベンションセンター 講演発表
日程 筆頭演者・共同演者
(下線は当科スタッフ)演題名 学会名 場所 2024/2/7 雨宮剛志 舌癌との鑑別を要した舌病変の3例 令和5年度朝霞地区歯科口腔外科懇話会 朝霞市保健センター
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