診療科・部門紹介
リハビリテーション科
概要
リハビリテーション科では、入院中の現病治療のサポート、またADLや筋力・体力の低下防止のために、入院後早期からのリハビリテーションに積極的に取り組んでおります。
脳血管疾患、神経筋疾患、運動器疾患、呼吸器疾患、心大血管疾患、がん、小児疾患等と幅広い疾患に対応し、2019年度では26.2%、2020年度では28.1%、2021年度(9月末)では26.7% の入院患者さんにかかわらせていただいております。
リハビリテーション科医師による診察を行い、必要に応じて、理学療法部門・作業療法部門・言語量聴覚療法部門のそれぞれの部門によるリハビリテーションを提供しています。
リハビリテーションを必要とする患者さんに適切なリハビリテーション治療を提供できるよう、主治医や看護師、栄養士、MSW、臨床検査技師、臨床工学技士、薬剤師など、院内の多職種と密な連携体制をとっております。
基本的には入院患者さんのみのリハビリテーションを行っており、外来でのリハビリテーションは行っておりません。ただし、リハビリテーション科専門医による専門外来(外来のページ参照)は開設しており、検査や治療を行っております。また、必要に応じて各所との連携や紹介なども可能ですので、お気軽にご相談下さい。
取得施設基準(2021年9月現在)
心大血管疾患リハビリテーション料(I)、脳血管疾患等リハビリテーション料(I)、
廃用症候群リハビリテーション料(I)、運動器疾患リハビリテーション料(I)、
呼吸器リハビリテーション料(I)、がん患者リハビリテーション料
職員構成(2021年9月現在)
リハビリテーション医 5名
理学療法士 20名
作業療法士 11名
言語聴覚士 4名
各部門紹介
<理学療法>
理学療法では病気による障害や手術後など運動機能の低下した患者さんに対して運動機能の改善を目的に各種の運動療法や物理療法を行い、立ち上がる、歩くといった基本的な動作能力の回復を支援しています。
当院では骨折や人工関節の手術後、脊柱の手術後の整形外科疾患および脳神経内科、脳外科の患者さんを中心に内科、外科の患者さんなど幅広く対応しております。
<作業療法>
作業療法では運動機能が低下した患者さんに対して、その運動機能の改善を図るとともに日常生活に必要な動作能力を評価し更衣動作、調理動作など実際の動作を通して日常生活動作の改善を図る援助を行っています。
また上肢の整形外科疾患に対しても運動機能改善を目的に運動療法や日常生活の諸活動を通して改善を援助しています。
<言語聴覚療法>
言語聴覚療法では病気によってうまく話せない、声がでないといったコミュニケーションの障害のある方や、食べ物をうまく食べられない、飲み込めないなどの摂食嚥下機能の低下がある方を対象に検査やリハビリを行っています。
スタッフ紹介
職名 | 氏名 | 専門医・認定医等 | 専門分野 |
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部長 | 村岡 香織 |
日本リハビリテーション医学会専門医・指導医 医学博士(リハビリテーション分野)・公衆衛生学修士(専門職) 日本神経生理学会専門医(筋電図・神経伝導分野) 義肢装具等適合判定医 |
リハビリテーション全般 |
医長 | 杉山 瑶 |
日本リハビリテーション医学会専門医・指導医 義肢装具等適合判定医 身体障害者福祉法第15条指定医 (肢体不自由・音声言語・そしゃく機能) |
リハビリテーション全般 |
医師 | 櫛田 幸 |
日本リハビリテーション医学会認定臨床医・専門医 日本内科学会総合内科専門医 日本消化器病学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 義肢装具等適合判定医 身体障害者福祉法第15条指定医 (肢体不自由・音声言語・そしゃく機能) 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 日本医師会認定産業医 日本静脈学会認定弾性ストッキングコンダクター 日本リンパ浮腫治療学会認定リンパ浮腫療法士 |
リハビリテーション全般 |
医師 | 速見 優希 | 義肢装具等適合判定医 | リハビリテーション全般 |
医師 | 上田 智之 | リハビリテーション全般 | |
医師 | 石田 正高 | リハビリテーション全般 | |
医師 | 松永 洋一 | リハビリテーション全般 | |
医師 | 秋山 志野 | リハビリテーション全般 |
外来
リハビリテーション科では、外来での理学療法、作業療法、言語聴覚療法は行っておりませんが、リハビリテーション科専門医による専門外来を開設しています。
ボツリヌス外来と装具診察外来は、当院かかりつけの方でなくても受診可能です。当院での初診手続きを行い、予約を取って受診して下さい。その際にはかかりつけ医からの紹介状をお持ち下さい。
嚥下機能評価外来と小児リハ評価外来は、当院で他の科にかかられている方のみ受診可能です。担当医からの院内紹介状が必要となりますので、担当医とご相談をお願いいたします。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | |
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午前 |
9:30-10:30 ボツリヌス外来 (当院受診歴なくても受診可) |
― |
9:30-10:30 小児リハ評価外来 (当院かかりつけの方のみ) |
10:00-11:00 義肢・装具外来 (当院受診歴なくても受診可) |
午後 | ― |
14:00-15:00 摂食嚥下機能評価外来 (当院かかりつけの方のみ) |
― |
13:00-15:00 リンパ浮腫外来 |
① ボツリヌス外来:月曜日9時半~
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脳卒中の後遺症などによって筋肉の突っ張り(痙縮)の症状が出ることがあります。痙縮とは筋肉が緊張しすぎて硬くなり、手足を思うように動かせない、勝手に動いてしまったりするなどの状態のことです。
痙縮の治療法は、内服薬やボツリヌス療法、神経ブロック療法やバクロフェン髄注療法などがあります。当科では、硬くなっている筋肉を少しでも柔らかくすることで、手足を動かしやすくしたり、リハビリテーションを行いやすくしたりということを目的に、ボツリヌス注射の治療を行います。
専門医が診察を行い、ボツリヌス療法の適応を決定して、注射を行います。必要に応じて、注射の前後に外来でのリハビリテーションを行うこともあります。
② 摂食嚥下機能評価外来:火曜日14時~
摂食嚥下機能障害とは、脳血管障害やその他の疾患、加齢など様々な原因により、食物を食べたり飲み込んだりすることが難しくなることをいいます。食物を食べにくい・飲み込みにくいという自覚症状や、食事中や飲水時にむせるという症状が出ることもあり、重症になると誤嚥性肺炎や窒息につながるものです。物が飲み込みにくいやのどに食べ物が残る感じがするなどの症状をお持ちの方は主治医にご相談の上、当外来を受診して下さい(当院かかりつけの方のみ)。
摂食嚥下の診察を行い、必要に応じて嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査を行います。外来での嚥下リハビリは行っていませんが、診察・検査結果に応じて、食べやすいお食事形態の提案やホームプログラムのご指導などを行います。ご希望の方には栄養科へご紹介しての栄養指導(お食事の形態など)も行っております。
③ 小児リハビリテーション評価外来:水曜日9時半~
運動発達などに問題を感じていたり、手足が突っ張る、うまく歩けないなどの症状があったりするお子さんを、当院小児科からの院内紹介で診察を行っています。必要に応じて、座位保持装置や装具の作製なども行います。
④ 義肢・装具外来:木曜日10時~
脳血管疾患、神経筋疾患、運動器疾患などの後遺症により、うまく歩くことができない、関節が固くなっているなどの症状をお持ちの方に、歩行の改善や関節の動きをよくするといった目的で義肢・装具を作製します。どのような義肢・装具がよいかの評価をリハビリテーション科専門医が行い、義肢装具士による義肢・装具の作製を行います。
2-3年以上お使いの装具の作り直しなどのご相談にもお乗りいたします。
お気軽に受診下さい(かかりつけ医がいらっしゃる方は紹介状をお持ち下さい)。
⑤ リンパ浮腫外来(複合的治療):木曜日10時~
手術後に生じたむくみ(リンパ浮腫)の診断、治療を行います。
リンパ浮腫の複合的治療とは、リンパドレナージ、圧迫療法、圧迫下での運動療法、スキンケア、日常生活指導による複合的な治療です。最初に集中的に治療を行うことにより効果が得られやすいため、5-6日の短期入院プログラムでの治療を行った後に外来でフォローアップする方法をお勧めしています。入院が難しい方はご相談しながら外来での治療を5回程度行います。状況に応じて、その後は地域の治療院などにご紹介し治療を継続して頂きます。その際にも当院外来でのフォローアップは継続して行います。
基本的には当院で手術を受けられた方を対象としており、当科受診には主治医からの院内紹介状が必要です。当科受診を希望される場合は、現在おかかりの診療科にまずご相談ください。
リンパ浮腫の診断にあたっては、必要により形成外科でリンパ管シンチグラフィーを行います。また形成外科でのリンパ管静脈吻合術を行う際には手術前や後に複合的治療を行っております。このように主科、形成外科などと連携を取りながら治療を行っていきます。
上記外来受診をご希望の際には、リハビリテーション科までお問合せ下さい。