診療科・部門紹介
脳神経外科
脊髄刺激療法(SCS)
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独立行政法人 国立病院機構 埼玉病院の脳神経外科では脊髄刺激療法(SCS)を実施する事で治療抵抗性の慢性難治性疼痛の治療に積極的に取り組んでいます。
慢性疼痛は患者の生活の質を著しく低下させ、就労困難を招く等、社会的損失が大きいとされます。また、受療頻度の高い上位5疾病に腰痛症、肩こり症が含まれ、頻度の高い自覚症状の上位には、各部位の痛みがあります。その一方で、治療に抵抗性をしめす慢性の痛みの診療に対して、必ずしも適切な治療が選択されず、痛みを専門とする診療体制や、そのために必要な制度、人材育成・教育体制も十分に整備されているとは言えない状況が続いてきました。特に、難治性の痛みには、様々な疾患による痛みが存在し、病態が十分に解明されておらず、診断や治療が困難な症例も多く存在します。
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特に、難治性の神経障害性疼痛と呼ばれる難治性の慢性疼痛に対しては脊髄刺激療法の最新治療機器を導入しています。今まで慢性の痛みで悩まれていた患者さんとっては、低侵襲で出血がほとんど伴わない手術での疼痛軽減が可能となる為、早期離床とともにQOLの改善が期待できます。
慢性の痛みの一つである神経障害性疼痛は、神経の損傷あるいはそれに伴う機能異常により起こる痛みで、様々な知覚異常を伴い、慢性化することで社会生活や日常生活の質を大きく損ないます。米国や首都圏の一部の先進医療機関において疼痛軽減を目的とした脊髄刺激療法が導入されてきましたが、本格的に導入する医療機関が少なく問題視されていました。
脊髄刺激療法は脊髄に電気刺激を行うことで、痛みを緩和させる治療法です。本治療は2段階で行われます。まず、本治療の効果を判定する目的で試験刺激(脊髄刺激療法の流れを参照下さい)が行われ、結果が良好な場合には腹部にペースメーカーと似た構造の脊髄刺激装置の植込みを行う簡便な手術です。2014年1月より従来併用禁忌となっておりました全身用MRIの撮像が条件付きで可能となる新製品も登場し、ますます適応となる疾患の拡大が期待されています。
この脊髄刺激療法は従来の手術と比較し、
― 低侵襲の為、体や骨に対する負担が軽減されます。
― 試験刺激により、本手術前に患者さん自身がその効果を確認することができます。
― 刺激装置と電極は抜去可能な為、可逆性のある治療です。
本治療は当局の保険適用を受けており、健康保険による治療対象となります。
痛みをコントロールしてより良い生活を
~新しい治療法・脊髄刺激療法(SCS, Spinal Cord Stimulation)について~
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【患者さんのQOL向上を目指して】
治療してもなかなか痛みが軽くならない、原因がよくわからないまま痛みが続く…そんな痛みを抱えて悩んでいる人は少なくありません。
今、慢性的な痛みに対する治療法のひとつとして、脊髄刺激療法(SCS)が注目されています。当院では、脊髄刺激療法を積極的に取り組み、患者さんのQOL(生活の質、Quality of Life)の向上を目指しています。【我慢しないのが痛みに対する治療法】
痛みの原因を特定できることもありますが、痛みが長く続くと、検査をしても原因が分からない痛みもあります。長く痛みが続く場合には、精神的な合併症があることも多くみられます。痛みは非常に精神的な影響を受けます。気持ちが沈んでいると、痛みをより強く感じることもあり、神経や筋肉、脳、脊髄などの痛みが、精神的な影響によってさらに強くなっていることもあります。
我慢は痛みを強くすることがあっても、やわらげることはできません。
「痛みをやわらげながら原因を探る」これが痛みに対する治療法と考えています。【新たな治療法、脊髄刺激療法】
今、痛みに対する治療法のひとつとして、脊髄刺激療法(SCS)という外科的な治療が注目を集めています。
痛みの信号は脊髄を通って脳に伝わり、痛いと認識されます。SCSは脊髄と脊柱の間(硬膜外腔)に、先端に電極のついた細い導線(リード)を挿入して、わずかな電気を流すことで、痛みを脳に伝わりにくくする方法です。※ 脳卒中後に発症する痛み、脊椎の手術後に残る痛み、
パーキンソン病による痛み等
詳しくは脊髄刺激療法の効果が期待できる患者像をご参照下さい。 -
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【脊髄刺激療法の効果が期待できる患者像】
① 薬物療法(オピオイド等)で副作用に困っている方
→SCSによる疼痛緩和から薬物の減量・離脱が期待できる② 手術適応が無く保存療法では対処し切れなくなった方(循環器・呼吸器疾患があり全身麻酔が不可など)
→カテーテル型リードにおいては局所麻酔で手術可能③ 硬膜外ブロックなどで著効例がある、または、硬膜外ブロックの効果持続を望んでいる方
→SCSはブロック療法で得られる効果が24時間365日持続する感覚④ 脳卒中後疼痛の発症により日常生活が困難になっている方
→疼痛を緩和する事でADL及びQOLの著しい低下を防ぐ⑤ 脳損傷後の遷延性意識障害(Minimally Conscious State)で持続的ではないが、何らかの意志を示す動作を確認出来る方
→発症後、満3ヶ月以上経過した患者さんで運動機能回復例有り⑥ 術後、痛みの再燃を訴える方で再手術の施行を避けたい方
→可逆的なSCSにより再手術 or 保存療法を患者自身が選択⑦ 腰下肢痛がパーキンソン病発症以前より存在、またはパーキンソン病発症後に増悪し、外科的治療の対象とならない方
→固定を避けたい患者さんにSCSで対処。腰曲り・歩行改善例有り -
【試験刺激(パンクチャートライアル)の流れ】
① 手術は2段階に分かれている。
② 事前に治療効果を体験して頂く事が可能。
③ 必要な時に脊髄刺激療法の導入を検討。
入院→検査→患者教育→試験刺激(3日〜7日)→退院

試験刺激で効果あり→植え込みに
(再入院し本植え込み術を行う)

試験刺激で効果なし→抜去して元の状態に
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痙縮治療 arrow_forward_ios
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痙縮とは?
脳や脊髄の病気や外傷により、身体の筋肉の緊張が異常に高まった状態(つっぱりが強くなった状態)を痙縮と呼びます。
病気や外傷の後、長期間が経過した患者さんにとって、適度な痙縮の存在は立位や歩行の際の支持性を高めるという部分では有利に働くこともあります。しかしながら、一方で痙縮により運動機能の回復が妨げられたり、手足の関節が固まってしまう(これを拘縮と呼びます)ことがあります。さらに痙縮のある患者さんに特徴的な手足の変形(肘が曲がったまま伸びづらい、手足の指が曲がったまま伸びづらい、立位や歩行の際に踵から接地することができない等)が進行したり痛みの症状が出現すると、立位や歩行が不安定となり、リハビリテーションや日常生活に支障が生じてしまうことも考えられます。このような痙縮による悪影響が強い患者さんは痙縮治療の対象と考えられます。痙縮の治療
当院では脳神経外科の専門的な見地から、患者さんの痙縮について多職種による評価を行い、患者さんに適した治療及びその後のフォローを行っております。
【主な治療法】
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リハビリテーション(運動療法、装具療法など)
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当院では、「FES(機能的電気刺激)」を行っております。 FES(装具型表面電極刺激装置)とは、麻痺した手足の筋肉に、コンピュータ制御された電気刺激を与え、筋肉の伸筋や屈筋などをさせることで、失われた機能の再建を図るものです。 一般的なリハビリ機器は、適応する障害が限定されるが、FES(装具型表面電極刺激装置)は脳卒中や脊髄損傷で手足が麻痺した大多数の人が利用でき、レンタルによる在宅リハビリにも活用されています。また、発症から年月が経過し、回復が困難とされている「慢性期」の人にも、運動の改善が見られた例があります。
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■国内の代表的な「FES」医療機器
・フランスベッド:「NESS H200TM」(上肢用)、「NESS L300TM」(下肢用)
・オージー技研:「アイビスプラス」「アイビス」(上肢用)
・帝人ファーマ:「ウォークエイド」(下肢用) -
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薬物療法(筋肉の緊張を緩める薬剤の内服)
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神経ブロック療法
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筋肉を緊張させている神経に薬剤を注射し筋肉の緊張を緩める
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ボツリヌス療法
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過緊張が認められる筋にボツリヌス毒素製剤を筋注します。ボツリヌス毒素製剤は神経筋接合部に作用し、筋緊張を改善します。作用は局所的で、臨床効果はおおむね2~3日で現れ、1~2週間で安定した後、3~4ヶ月間程度持続します。他の治療法との併用も可能です。症状の推移をみながら徐々に他の部位へ治療範囲を広げることもできます。当院では、事前の評価の上で必要と判断した患者さんに対して、積極的にボツリヌス療法を実施しております。また、いずれの治療法を選択する場合でも、リハビリテーションの実施は必須であると考え、理学療法士・作業療法士による運動療法や日常生活の指導、必要な患者さんに対しては補装具の作製や調整を行います。
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髄腔内バクロフェン療法(ITB療法)
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痙縮(筋肉の緊張)に効果のある薬を脊髄の周囲(髄腔)に直接(持続)投与することで、症状をやわらげる治療法です。おなかの皮膚の下に薬剤注入用のポンプを植え込みます。全身性で比較的重度痙縮の方を対象とします。治療担当医は、当該治療が保険適応になった2006年より積極的に手術を行っており手術件数は全国の中でもトップレベルです。
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写真:バクロフェン持続髄注用ポンプ
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【治療の流れ】
ポンプなどをお腹に植え込む手術を行う前に、バクロフェンの効果があるかどうかを確認するための判定テスト(スクリーニング)を行います。-
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判定テスト(スクリーニング)
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1~2日間入院して行います。ベッドに横になって頂き腰椎穿刺を行い、バクロフェン50μgを髄腔内に投与します。バクロフェン注入1~8時間後に痙縮の評価を行い、効果があると判断されれば手術適応となります。効果がなければ24時間以降に投与量を増やして再度、判定テストを行います。バクロフェンの投与量は最大100μgで、この量で効果がなければ手術適応はありません。
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ポンプ植え込み術
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判定テストで効果が認められた患者さんで治療の継続を希望される場合には、後日ポンプおよびカテーテルの植え込み手術を行います。
手術は全身麻酔で行います。側臥位で腰椎穿刺を行い、カテーテルを髄腔内に挿入します。カテーテルの先端はX線透視装置で確認します。次にカテーテルを皮下に作った皮下トンネルを通してお腹まで持って行きポンプと接続し、ポンプをお腹の皮下(または筋層下)に植え込みます。 -
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ポンプ植込み後の管理
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ポンプ植込み後は定期的なバクロフェンの補充(リフィル)とポンプの動作確認が必要です。薬の補充は通常2~3ヵ月に1回の間隔で行います。ポンプの入っているお腹に局所麻酔を行い、ポンプに細い針をさして薬液の注入が可能ですから、外来の診察の際に行うことができます。また、ポンプ内の電池の寿命は5~7年です。そのため、電池が切れそうな時期に入院していただき、全身麻酔下で新しいポンプと交換する必要があります。
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脳血管内治療 arrow_forward_ios
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脳血管内治療とは
脳血管内治療とは、カテーテルという細いチューブを脳の血管内部に挿入し、その中を通じて様々な医療器具を患部まで誘導し治療する手術法です。体にメスを入れる必要がないため、他の脳神経外科手術に比べ体に対する負担が少なく済む利点があります。一方で治療対象となる脳血管が脆弱化していたり脳の中の極めて重要な部位を流れていたりすることもあるため、重篤な合併症を生じる恐れもある大変難易度の高い治療法でもあります。
当院では、豊富な臨床経験を積んだ診療スタッフにより治療が行われており、安全で確実な脳血管内治療を行えるよう日々研鑽に励んでおります。また、令和3年度よりは最新の脳血管撮影装置が導入され、脳血管の微細な構造も正確に診断可能となり、脳血管内治療に絶大な効果を発揮しています。シーメンス社Artis zee 血管撮影装置
令和3年に当院で行った脳血管内治療は79件で、内訳は下表の通りです。
(令和3年1月1日〜12月31日)区分 件数 血栓回収療法 20件 コイル塞栓術(未破裂) 7件 コイル塞栓術(破裂) 7件 頚動脈ステント留置術 22件 ステージド CAS 5件 硬膜動静脈瘻 2件 脳腫瘍塞栓術 7件 その他 9件 計 79件 当院で行っている主な脳血管内治療
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急性期脳梗塞(急性脳血管閉塞症)に対する機械的血栓回収療法
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発症後急性期の脳梗塞に対しては、強力な血栓溶解物質であるt-PA静脈投与による血栓溶解療法が行われます。しかしながら、血管内に大きな血栓が詰まっている場合など、t-PAのような強力な薬剤をもってしても血栓を溶解する事が困難なことがあります。その場合、血栓を回収する器具を脳血管の閉塞部位に挿入し、血栓を機械的に回収する治療が行われます。十分に血栓が回収され脳血流が完全に再開すると、これまでの治療では救命困難な症例においても、全く後遺症もない状態にまでに回復する例がしばしば経験されます。
急性期脳梗塞治療では、発症から治療開始までの時間が短いほど治療成績が良いことが多くの研究で示されています。そこで埼玉県では迅速・円滑に脳梗塞治療を行うために、埼玉県急性期脳梗塞治療ネットワーク(SSN)を構築し、特に機械的血栓回収療法など高度の脳梗塞治療を行う医療機関をSSN基幹病院と指定しています。当院は県よりSSN基幹病院に指定されており、急性期脳梗塞治療に対して特に重点的に取り組んでおります。急性期脳梗塞に対する血栓回収術
脳動脈に造影剤を注入しても血管閉塞部より先は造影されません(赤矢印)。マイクロカテーテルを血管閉塞部位の末梢まで誘導し(矢頭)血栓回収デバイスを患部に挿入し血栓を回収すると、脳血流が再開しました(青矢印)。 -
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脳動脈瘤に対する動脈瘤コイル塞栓術
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脳動脈瘤には、くも膜下出血で発症した破裂脳動脈瘤と、脳ドックなどで偶然発見された未破裂脳動脈瘤があります。
破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血は、多くの方が亡くなったり重い後遺症を患ったりする極めて重篤な疾患です。いったん動脈瘤が破裂すると2度3度と破裂を繰り返し脳に致命的なダメージを生じさせるため、発症後早期に再破裂防止のための手術が行われます。再破裂防止の手術には、開頭クリッピング術と脳血管内治療によるコイル塞栓術があります。いずれの方法が良いかは、年齢・瘤の形状や大きさ・部位・病状の重さなどを総合的に判断し決定しております。
コイル塞栓術とは、血管内に留置したカテーテルを通して、マイクロカテーテルを動脈瘤内まで誘導し、動脈瘤の内部をプラチナ製のコイルで充填して止血する治療のことです。動脈瘤の形状によっては、留置したコイルが安定せずに瘤外に飛び出してしまう事があるため、バルーン付きのカテーテルでコイルを抑えながら塞栓する方法やステントという網目状の筒を血管内に留置しコイルを動脈瘤内に抑え込む方法をとる事があります。
未破裂脳動脈瘤は、ほとんどの場合無症状であり脳動脈瘤があってもそのまま何事もなく一生を終えられる例も存在します。しかし、年間に一定の割合で破裂をきたすおそれがあることも事実であり、動脈瘤の大きさ・部位・形状をよく観察し、破裂の確率が手術による合併症率を大きく上回ると判断された場合は手術をお勧めしています。破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術
脳動脈瘤(矢印)内に、マイクロカテーテルを挿入し、プラチナ製のコイルを慎重に充填し、動脈瘤を閉塞させました。 -
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頚部頸動脈狭窄に対する頸動脈ステント留置術
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頚動脈の内膜に、コレステロールなどから形成されたお粥状の物質(プラーク)が蓄積し、これが肥厚して内腔が狭くなってしまった状態を、頚動脈狭窄症といいます。狭窄が進行し脳へ供給される脳血流量が不足したり、狭窄部に生じた血の塊りやプラークの断片が末梢に飛散して脳血管の閉塞をきたして、脳梗塞を発症するおそれがあります。
頚動脈ステント留置術とは、頚動脈の狭窄部をバルーンで拡張し、さらにステントという金属製で網状の筒を展開してプラークを抑え込んでしまう治療法です。血管拡張時に押し広げられたプラークが破綻して末梢の脳血管に飛散してしまうおそれがあるため、末梢の血管内に非常にきめ細かいフィルターを留置して、プラークの飛散を防止しながら手技を行っています。
重症の頚動脈狭窄症では、治療後に脳の血流量が急激に上昇し、過剰の血液が一挙に頭蓋内に流入することによって、頭痛・痙攣・錯乱状態などをきたす「過灌流症候群」が生じる事があります。最悪の場合は脳血管が破綻し脳出血をきたし生命に関わることもあります。当院では、術前に脳血流シンチ検査などの検査で過灌流症候群の危険性を術前に十分に評価し治療を行なっています。
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頚動脈狭窄症に対する頚動脈ステント留置術
頚部の内頚動脈(脳に向かう血管)に高度の狭窄を認めます(矢頭)。ステントを留置し頚動脈の狭窄部位を修復しました(矢印)。 -
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脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻の脳血管内治療
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脳動静脈奇形とは病変部の毛細血管が生まれつき欠損し、ナイダスと呼ばれる異常血管によって動脈と静脈が連結している疾患です。病変部血管は正常血管に比べ脆弱で脳出血やくも膜下出血をきたし発症します。脳血管内治療では、非常に細いマイクロカテーテルをナイダスの直前まで誘導し塞栓物質を注入し病変部を硬化してしまう治療を行います。
硬膜動静脈瘻とは、脳を流れる血液の流出路である硬膜静脈洞と呼ばれる部位に病的な動脈が直接吻合し、静脈洞内の圧力が異常に上昇し脳の血液がうっ滞し、脳の機能障害(運動障害や認知機能の障害など)をきたす疾患です。静脈洞内の圧力が極度に上昇すると、血液が脳内に逆流して重篤な脳出血をきたすこともあります。耳の後ろにある静脈洞が罹患すると耳の近くに多量の血液が流れるため耳鳴り(血管雑音)がしたり、眼の奥の静脈洞が罹患すると眼球が充血し突出しさらに悪化すると失明することもあります。脳血管内治療では、罹患した静脈洞にプラチナ製のコイルなどの塞栓物質を充填し静脈洞から脳や周辺組織への血液の逆流を止めたり、静脈洞に流入する病的動脈から塞栓物質を注入し静脈洞との吻合を遮断する治療を行なっています。 -
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その他の脳血管内治療
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その他、良性腫瘍の外科的摘出術の術前処置として腫瘍の栄養血管に塞栓物質を注入し手術時の出血を抑えたり、再発を繰り返す硬膜下血腫に対し出血源の血管を塞栓するなど、外科的治療の補助として脳血管内治療を行なっています。