診療科・部門紹介
脳神経外科
脊椎・脊髄・末梢神経外科のご案内
当科では、手足のしびれや痛みなどの原因となる脊椎・脊髄(首や腰)の病気、末梢神経の病気に対して、脊椎脊髄外科専門医による専門的な診療を行っています。
当科での脊椎・脊髄・末梢神経疾患の診療は、以下の3つが特徴です。
- 1. 脊椎・脊髄疾患から末梢神経障害まで一貫した切れ目のない診療
- 2. 顕微鏡を用いた繊細で安全性の高い手術
- 3. 身体への負担を抑えた低侵襲治療
脊椎・脊髄の病気について
背骨(脊椎)の中には、手足の動きや感覚をつかさどる大切な神経(脊髄や神経根など)が通っています。年齢とともに、脊椎では骨棘(骨のトゲ)が出っ張る、椎間板が飛び出す、骨と骨をつなぐ靱帯が厚くなるなど、様々な加齢変化(変性)が生じます。これらの変化によって神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで、しびれや痛み、筋力の低下、手の動かしにくさ、歩きにくさなどの症状が現れます。症状は、神経が圧迫される場所によって異なります。
代表的な首(頚椎)の疾患として、
- ・頚椎症性脊髄症(手のしびれや細かい動作のやりにくさ、歩行障害など)
- ・頚椎症性神経根症(片側の肩から手にかけての強い痛みとしびれ感)
- ・頚椎後縦靱帯骨化症(脊柱管内の靱帯が骨のように硬くなって出っ張り、脊髄が圧迫される難病)
などが挙げられます。
また、代表的な腰(腰椎)の疾患として、
- ・腰部脊柱管狭窄症(歩くとお尻から足にかけてしびれたり、痛くなったりする)
- ・腰椎椎間板ヘルニア(片側のお尻から足にかけての強い痛み・しびれ)
- ・腰椎圧迫骨折(尻餅をついた後などに腰が痛くなる)
などがあります。
これらの疾患に対しては、まず内服薬やブロック注射、リハビリテーションなどの保存治療を行います。症状の改善が不十分な場合や、悪化してくる場合には、手術を検討します。
手術はなるべく小さな皮膚切開で、顕微鏡を用いて神経の圧迫を丁寧に取り除き、できるだけ身体への負担を抑えることを重視しています。
また、脊髄腫瘍(髄内腫瘍・硬膜内髄内腫瘍)の摘出術や、脊髄空洞症に対する手術(大後頭孔減圧術、脊髄空洞くも膜下腔シャント術)など、繊細で高度な顕微鏡下手術を要する疾患にも対応しています。
ご高齢の方に多い骨粗しょう症などに伴う腰椎圧迫骨折に対しては、経皮的椎体形成術(バルーン椎体後弯矯正術: Balloon Kyphoplasty[BKP])を行っています。潰れた骨の内部にセメントを充填して補強する、身体への負担が少ない手術法です。腰痛が速やかに改善され、早期からの歩行が可能となります。
当院は救命救急センターを設置しており、多発外傷や重症頭部外傷の患者さんを多数受け入れております。脊椎の不安定性を伴う外傷に対しては、各種の金属インプラントを用いた固定術を行い、早期のリハビリテーション開始を目指しています。
末梢神経の病気(絞扼性末梢神経障害)について
脊髄から枝分かれした神経(末梢神経)は、身体の様々な場所を通って手足へとつながっています。これらの末梢神経が筋肉や靱帯、骨、または外から加わった力などにより締め付けられる(=絞扼される)ことで、対応した部位にしびれや痛み、感覚低下、筋力低下などを生じます。このような病気を、絞扼性末梢神経障害と呼んでいます。
末梢神経障害は脊椎・脊髄の病気と症状が似ていることが多く、正確な診断が重要です。また、両者が同時に存在することも稀ではありません。当科では、脊椎脊髄外科専門医が末梢神経障害の診断と治療を一貫して行うことで、切れ目のない診療を提供しています。
代表的な病気として、
- ・手根管症候群(親指から薬指にかけてのしびれや痛み、手の使いづらさ)
- ・肘部尺骨神経障害(肘部管症候群)(小指から薬指のしびれや痛み、細かい動作の障害など)
- ・胸郭出口症候群(首から肩にかけての痛み、手のしびれ、動きにくさなど多彩な症状)
- ・上殿皮神経障害(腰やお尻の痛みなど)
などがあります。
これらの病気に対しても、まずは内服薬やブロック注射などの保存的治療をしっかり行い、改善が乏しい場合には顕微鏡を用いた手術によって神経の圧迫を解除します。
絞扼性末梢神経障害の中で、最も多いのが手根管症候群です。家事や仕事、手作業などで手をよく使う女性に多い病気です。初期症状は親指から薬指にかけての痛み・しびれ等ですが、進行すると親指の付け根の筋肉(母指球筋)がやせてきて、親指の動きが悪くなり、手の機能が障害されます。
手根管症候群の手術(手根管開放術)は局所麻酔で行います。手のひらの手首近くを2.5cm~3cm程度切開し、屈筋支帯という靱帯を切離して、正中神経の圧迫を解除します。身体への負担の少ない手術ですが、良好な症状改善が期待できます。
外来診療のご案内
患者さん一人ひとりの症状や生活背景に応じて、手術だけでなく保存的治療も含めた最適な治療方針をご提案いたします。手足のしびれや痛み、歩きにくさなどでお困りの際は、お気軽にご相談ください。可能でしたら、かかりつけ医からの診療情報提供書(紹介状)をご持参ください。
担当医: 永岡右章(脳神経外科専門医、脊椎脊髄外科専門医、脊髄外科技術認定医)
外来担当日: 火(午前)・水(午前・午後)
参考情報
病気の詳細については、日本脊髄外科学会ホームページをご参照ください。
