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心臓血管外科(心臓弁膜症の外科治療)

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心臓血管外科

心臓弁膜症の外科治療

心臓の中には血液の流れを一方通行にするため、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁の4つの弁があります。これらの弁が壊れた状態を弁膜症といい、血液の循環が悪くなり、息切れ、動悸、胸痛、むくみなどの症状がでます。心臓弁膜症は古くはリウマチによるものが多かったですが、最近は僧帽弁の変性による僧帽弁閉鎖不全症、また高齢者の大動脈弁狭窄症が増加しています。

【当院の弁膜症治療には以下の特徴があります】
1.僧帽弁閉鎖不全症には、自己弁を温存した形成術を中心に施行しています。
2.僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁疾患、心房中隔欠損症の手術では、低侵襲手術(小さな創)での
    治療が可能なことがあります。

僧帽弁形成術
人工弁置換術では手術の後に抗凝固薬としてワーファリンの服用が必要となり、納豆など一部の食品の摂取を控える必要があります。また頻度は低いですが機械弁には血栓が付着したり、生体弁には経年劣化が生じる可能性がある等の欠点があります。そこで人工弁に取り替えないで、自分の弁を修理して使おうというのが弁形成術です。僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症では弁形成術を基本術式としています。

低侵襲心臓手術(MICS法)
通常の心臓外科手術では胸部前面中央にある胸骨を縦に切開し心臓に到達する胸骨正中切開法が標準的で、喉元からみぞおちにいたる20~25cmほどの切開を必要とします。一方、右小開胸法を用いた低侵襲心臓手術では、皮膚切開は6~8cm程と従来の半分以下とし胸骨は全く切開しません。従って早期の社会復帰が可能です。また女性では乳房の下縁に沿った創とすることにより、美容的な観点からも優れています。その小さな切開口から心房中隔欠損孔の閉鎖術僧帽弁置換僧帽弁形成術、三尖弁疾患、心臓腫瘍などを行います。比較的若年の方、他に合併症のない方を中心に右小開胸による低侵襲心臓手術(MICS)を慶應義塾大学での数百例の経験の元に施行しています。
右胸の小さい切開から手術をします。女性では乳房の下縁に沿った創となり、
美容的な観点からも優れています。
低侵襲心臓手術の準備風景:
通常の心臓手術の準備に加え、特殊な手術器材や内視鏡用のモニターなどが配置されます。
僧帽弁形成術の術野です。創は小さいですが、僧帽弁は良好な視野で観察できます。部分的には内視鏡の補助下で手術操作します。通常の手術より僧帽弁は深い位置にありますが、ほぼ正面視が可能です。
内視鏡画像(右下):乳頭筋断裂による重度の閉鎖不全症です。心臓手術に内視鏡を導入することにより、
より正確な手術操作が可能となります。
安全管理のため経食道心エコー、内視鏡モニターをはじめ様々な生体情報モニターを設置しています。麻酔科医師、人工心肺装置を担当する臨床工学技士、手術室看護師などが医療チームを形成して行います。

大動脈弁置換術
壊れた心臓の弁を新しい人工弁に交換する手術です。人工弁には、カーボンでできた機械弁、豚や牛の心膜からできた生体弁などがあります。患者さんの年齢、病状などに応じて最適な人工弁を選択いたします。

小切開(胸骨部分切開)での大動脈弁置換術、僧帽弁形成術
弁膜症以外に合併症のない患者さんに対して、従来の半分、10cm程度の創で弁置換術を行う方法です。胸骨を部分的にしか切開しないため、胸郭構造が温存されます。術後の早期社会復帰に貢献できると考えています。
胸骨部分的切開の術野:上行大動脈は術野中央に観察できますが(矢印)、心臓はごく一部しか見えませんが、小さな創からでも工夫により、大動脈弁置換術をほぼ通常通りに行うことが出来ます。心臓全体は見えない為、術中の経食道心エコー検査など、麻酔科管理がより重要になります。


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