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呼吸器外科(概要)

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呼吸器外科

呼吸器外科へようこそ

呼吸器外科、略して「呼外(こげ)」です。

当科ホームページをご覧いただき、有難うございます。
当院には、平成21(2009)年4月1日から、胸郭・胸腔内病変を扱う胸部の外科として「呼吸器外科」が開設されております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

当院に呼吸器外科が開設されたころは、まだ「呼吸器外科」という名前の診療科は、聞きなれないという方も多く、医師の中にも「胸部外科」や「肺外科」と呼ぶ人も、少なくありませんでした。

名称は「呼吸器」+「外科」ですが、「呼吸器」つまり、肺や気管の病気(肺癌や自然気胸など)はもちろん、「呼吸器」以外の、胸部にある縦隔や胸郭の臓器、例えば肋骨や横隔膜、神経や胸管、胸腺や甲状腺などに発生する疾患を取り扱う「胸部の一般外科」です。

当科では、開設当初より、胸腔鏡手術を基軸にして診療を行って参りましたが、開設当時はまだ、胸腔鏡手術という内視鏡手術を、声高に批判する先生方も、多数いらっしゃった時期で、院内にも否定的に言う関係者もおりました。しかし、術後の経過を見るにつれ、次第に批判を止め、現在では、「手術を受けるなら、是非、胸腔鏡で」と変わっています。胸腔鏡手術は、全国多くの呼吸器外科に普及し、当たり前の手術として実施され、しばらく、この流れが変わることはないでしょう。

今、世界の呼吸器外科は、胸腔鏡手術の次のステップへ進んでいます。最先端技術の提供を目指す当科は、次世代胸腔鏡手術の一つ、キズ一つで行う単孔式胸腔鏡手術を取り入れ、指の幅2本分くらいのキズで、肺癌の手術ができるようになりました。

今後も最新・最良の呼吸器外科診療を、地域の皆様に提供できるよう、日々研鑽に努めて参りますので、どうか皆様にはご愛顧下さいますよう、お願い申し上げます。

当科のサイトでは、診療のご案内だけでなく、広く一般の方へ、肺癌や自然気胸など呼吸器外科領域の診療情報も提供しております。地域の方はもちろん、全国の多くの皆様に、お役に立てば幸いです。

なお、当科ホームページの内容は、すべて当科医師が執筆したもので、当院ホームページ委員会の閲覧・許可を経て、掲載されています。医学的な正確性には、細心の注意を払いつつも、難解な専門用語や数字の羅列などを極力避けて、記述するよう努力いたしました。

多くの皆様に、閲覧していただいております【呼吸器外科診療Q&A】は、左欄のフレームより該当ページへお進みください。用語や病気、治療法などの解説もQ&Aに掲載しておりますので、併せてご覧ください。

 → 取り扱っている疾患治療方針などはこちらを
   ご覧ください。



開設までの経緯

呼吸器外科が取り扱う病気の中で、最も代表的なものが肺癌です。肺癌が我が国で近年急増していることは御承知のとおりですが、実はこの肺癌の診療にあたるべき呼吸器外科医は、全国的に希少な状況が続いており、不足していると言われてきた麻酔科医の1/4、産婦人科医の1/5(当該学会の会員数比較、本稿執筆時【2021年3月】)しか、おりません。当院があるのは、東京23区に隣接する埼玉県南部の県境地域ですが、残念ながら、この地域に常勤で働く呼吸器外科の専門医は、決して多くありません。病院内に呼吸器外科が標榜されていても、実際に診療にあたっているのは、アルバイトの医師が、外来診療だけしているということも、少なくないのです。そのような名ばかりの呼吸器外科では、結局、難しい話や手術は、「別の病院で」ということになりがちです。

当院でも、十数年前まで、そのような体制で呼吸器の診療が行われていました。そこで、当院では、平成21年の新病棟建設を機に、肺癌をはじめとする呼吸器の本格的診療を開始することとし、まず平成20年秋に呼吸器内科が、それから半年遅れて、平成21年春に呼吸器外科が開設されました。


充実のスタッフ

昭和16年に陸軍病院として開設された当院の歴史から見れば、当院の「呼吸器外科」は、まだまだ新設と呼ぶべき診療科ですが、赴任したスタッフは、新米ではありません。都心の大学病院はもちろん、がん専門病院、結核治療施設、じん肺専門病院、高度救急センター、肺がん検診機関などなど、呼吸器疾患に関連する様々な診療現場で研鑽を積み、広く呼吸器外科領域全体に、多くの臨床経験を持って、当院に赴任し、呼吸器外科での診療に従事しております。

スタッフ紹介ページには、スタッフの簡単なプロフィールも掲載しておりますので、ご覧ください。


当科の特徴

開設以来、当科では特に胸部の内視鏡手術(胸腔鏡手術と言います)を、診療の軸に、手術を展開して参りました。令和となった現在、当科での全身麻酔手術のほとんど(9割以上)が、胸腔鏡手術で実施されています。しかも、そのほとんどが、胸腔鏡手術の中でも最も技術的難易度の高い完全鏡視下胸腔鏡手術であり、さらに実施されている胸腔鏡手術の多くは、キズ一つで手術を完了させる単孔式胸腔鏡手術と呼ばれるものです(単孔式胸腔鏡手術の解説はこちら)。胸腔鏡手術は、手術直後の回復が早く、手術を受けられた方はもちろん、その経過をご覧になった関係者・ご家族の多くが、その経過に驚かれます。手術の9割以上が胸腔鏡手術となった今日、開胸手術でなければできない手術など、通常の呼吸器外科手術には、当科には、もうほとんどないと言っても過言ではないかもしれません。

安全管理と説明責任

安全性には十分配慮し、説明には十分時間をかけ、内容も十分吟味しております。例えば胸腔鏡手術なら、その利点だけでなく、限界や欠点も熟知しており、胸腔鏡手術を強要したり、無理な手術をお勧めしたり、決して致しません。一度当科外来で手術の説明をじっくりお聞きください。外来では採算度外視で、時間を掛け、説明を行っております。それでもまだ不安、お前の話は信用できないと言うことであれば、ご希望の医療機関をご紹介します。もちろん、他院からのセカンドオピニオンにも対応しております。治療の選択権は患者本人にあるという姿勢は堅持しており、当科での説明をお聞きなれば、納得いただけるはずです。


なぜ当院で手術を勧めるか

ご承知のように、麻酔科医など一部の診療科では、医師不足が深刻で、著名ながん専門病院や大規模有名病院などであっても、麻酔科医の確保に苦労している病院はたくさんあります。『実は外科医が麻酔をかけている』とか『勤務時間が過ぎたら、麻酔科医が(手術途中であっても)帰宅して不在になる』と言うようなこともあるようです。例え外科医が優秀でも、果たしてこのような病院で安心して手術できるでしょうか。こうした話は、嘘や誇張ではなく、また、医者の少ない遠い地方の話でもありません。非常勤と言う名のアルバイト麻酔医で、手術が成り立っている病院は、実際には多いのです。当院の麻酔科のページもご覧ください。これほどの麻酔科医を揃えている病院は、そう多くはないでしょう。当院では、麻酔に関しては何の心配もありません。麻酔医以外にも、癌診療を担う様々な分野の専門家も揃っています。肺癌の放射線診断や放射線治療を行う放射線科医、最終組織診断を下す病理医、抗癌剤治療を担当する腫瘍内科医、終末期医療に携わる緩和ケア医、医師以外にも、癌治療に特化した資格を持つ看護師や薬剤師をはじめ、退院後の生活や保障などの相談に乗る専門家など、さまざまな領域で呼吸器診療を支える多くの専門スタッフが、日々連携して活動しております。

心臓病や高血圧のある方、手術の夜、不整脈が出たり脳卒中となったら、どうするのでしょうか。当院のように、24時間、循環器科医や脳神経科医が常駐している病院はそう多くありません。救命救急センターもあり、24時間対応です。透析が必要な方も、大丈夫です。胸部の血管を扱う呼吸器外科の手術では、突発的な事故で、心臓外科の支援を依頼することがありますが、おそらく、がん専門病院には、心臓外科は常設されていないはずです。高齢化が進む中、手術の病院選びは、手術を執刀する外科医だけでなく、それを支える診療科が充実したところでなければなりません。過去の手術件数だけで病院を選ぶのは、もう終わりです。


今後も続く呼吸器診療の充実強化

当院では、平成21年に建設された現病棟(本館)への全面移行を機に、呼吸器疾患に対する診療体制の拡充が図られ、十年ほどで当院での呼吸器領域の診療体制は質・量ともに充実しました。

平成30年度に稼働開始した新病棟(新館)には、新たに感染症病床やHCU(ハイケアユニット)を備えた呼吸器病棟ができました。これまで個別に開設され、別フロアで診療を行ってきました呼吸器内科・呼吸器外科は、呼吸器センターとなったこの呼吸器病棟に集約され、呼吸器内科と呼吸器外科で分散していた外来ブースも、平成31年度に一か所に集約されました。手術室も増設され、開設時には週1日しかなかった手術日も週3日まで増えました。新しい手術室には、最新の4K画像システムを備えた胸腔鏡手術システムが用意されています。ゼロから始まった当院の呼吸器診療は、病院の成長や診療科の充実とともに、大きく発展し、癌から救急救命の外傷に至るまで、あらゆる事態に対応できるようになっています。


呼吸器外科手術の今昔

胸部の手術というと『胸の形が変わってしまうのでは』とか、『死ぬまで酸素が必要になるのでは』とか、今でもご心配の方があるようです。しかし、それはもう遠い昔の話のこと。胸部の外科治療は、驚くほど変わっています。いまでは術後の回復も早く、90歳近い年齢の方でも、肺癌手術の後、わずか4-5日で退院されています。術後の入院期間は今や、「もうちょう(虫垂炎)」並か、それ以下です。

もちろん、手術は気軽に受けると言うわけにもいきませんし、手術を受けるには、相応の覚悟と自制が必要となることも事実です。ただ、もし高齢だからとか、持病があるからとかの理由で、手術を避けようとしておられるなら、一度当科外来にお越しになり、私どもの話をお聞き下さい。そして、わからないことがあれば納得がいくまでご質問ください。

毎年、多くの方が当科で手術を受けておられます。どうぞ「埼玉病院の呼吸器外科」を、ご利用下さい。