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呼吸器外科(研修・見学案内(専門医や指導医を目指す先生方へ~研修・研鑽案内))

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呼吸器外科

呼吸器外科の研修先を探している先生方へ

研修先をお探しでしょうか。当科のホームページをご覧いただき有難うございます。私たちは、呼吸器外科の仲間が、一人でも増えてほしいと、心の底から願っています。当院は、大学のような教育機関ではありませんが、臨床医として、あるいは外科学を探求する科学者として、実践から学べる環境が揃っています。

ここでは主に、呼吸器外科への進路を考えている先生方、あるいは呼吸器外科医となって間もない先生方に向けた情報を提示しました。

私どもの研修指導の方針は『プロとしての外科医を育てる』です。

大事な(体内の)ところは終わったと、体表の傷は適当に縫っている外科医いませんか?

外見はみすぼらしいけど、味が良い料理店がTVで話題になっていました。プロのお店と言えるでしょうか?味が一流と言うだけでは、プロとは呼べません。盛り付けも食器も、内装も接客も、考えに考えた上で、客に提供してこそ本当のプロ。内臓を扱うのと同じ技術を、皮膚縫合にも注ぐべきであり、手術のどこかに手抜きを感じさせたら、プロの仕事とは言えません。

たとえばプロスポーツ選手、プロの職人など、私たちが『プロ』と呼ぶときは、職業人という意味を超えて、その領域の頂点に立ち、所謂『しろうと』とは一線を画す『匠』といえる職人芸を持った人たちを、羨望や尊敬の念を込めて、呼ぶことが多いのではないでしょうか。私たちは、高度な手術操作は当然のこと、ガーゼの付け方や説明の方法まで、プロの仕事を心がけています。身に付けるべきは、『さすが』と熟練を感じさせるプロとしての知識や技術です。

目的に合わせた各種研修コース

新専門医制度になりましたが、その気になれば、呼吸器外科医には、いつからでも成れます。かく言う筆者も、完全に呼吸器外科の専任となったのは、卒後10年目くらいです。呼吸器外科は、他科からの途中転入組が、比較的多い診療科で、呼吸器外科を志向する人は、初期研修の人から、すでに他の領域で働いていた人まで多彩です。途中から始めても大丈夫なくらい、簡単ってことでしょうか。

そうは言っても、多くの人は、卒後1~2年のうちに進路を決め、3年目には各専門分野に入っていくことでしょう。そこで当科の研修は、(1)初期臨床研修における基本的外科技術習得のための研修、(2)外科専攻医取得を目指すための研修、(3)呼吸器外科専門医の取得を目指す外科医のための研修、(4)救急医や呼吸器内科医などの診療科の先生方が呼吸器外科診療を体験するための研修、などと目的に合わせてプログラムを考え、指導にあたっています。また、プログラムこそありませんが、胸腔鏡手術をはじめとする、高度な呼吸器外科技術の習得を目指す先生方に対する教育指導にも、力を入れています。

【取得できる資格など】

当科での研修期間は、外科専攻医や呼吸器外科専門医のおける研修期間として認定されます。他に、呼吸器内視鏡(気管支鏡)専門医の研修施設にもなっており、がん治療認定医、肺がんCT検診認定医などの資格も取得可能です。研修期間にもよりますが、より多くの関連資格も、併せて取得できるよう、スタッフ一同で、最大限支援いたします。

初期臨床研修や外科専攻医研修での呼吸器外科研修

当院の初期臨床研修プログラムには、外科系診療科を重点的に研修する外科系コースがあります。また、後期研修にあたる専攻医プログラムには、当院を基幹施設とした独自の外科専攻医修練プログラムがあります。いずれも、外科学を基盤とする呼吸器外科、心臓血管外科、消化器外科、小児外科、乳腺外科の5診療科でプログラムを共有し、プログラムに沿って、各科でそれぞれ数週間程度、研鑽を修めることができます。また、初期研修・後期研修どちらのプログラムにも、将来の希望進路に合わせて、研修先を自由に選択できる期間が設けられており、この期間を呼吸器外科に設定すれば、比較的長期(2ヵ月~1年程度)にわたる研修も可能になります。言うまでもなく、初期臨床研修は、既定の診療科での研修が目的であり、また外科専攻医研修では、外科専門医取得が目的となる研修ですが、より早く呼吸器外科で研修を始めたい人には、良い選択となるでしょう。

基本的な研修プログラムの例などが、当院サイト内に別途公開されております。該当ページも、併せてご覧ください。

呼吸器外科専門医を目指すための研修

呼吸器外科専門医資格は、外科専攻医取得が前提です。専攻医制度もなかなか定まりませんが、現時点では、外科専攻医のための研修段階から、呼吸器外科を中心とした外科専攻医プログラムに入るコースのほか、外科専攻医プログラム終了後に、改めて呼吸器外科専門医を目指すコースが、認められています。

どちらのコースにせよ、当院だけで呼吸器外科専門医まで取得できます。もちろん、他院で研修を修めたのち、当院へ異動という場合も多いはずですから、これまでの研修実績や習得レベルなどを見て、資格取得に向け、不足している部分を重点に置きながら研修をします。

実際には、専門医を目指すレベルであれば、多くは日常診療の中で、経験を積み、指導を受けながら研鑽していくことが基本になると思います。論文で学んだ知識、学会で見聞きしたトレンドなどをもとに、最新で最高の医療をあなた自身が当科で実践して下さい。

専門医取得後に呼吸器外科での研鑽・見学をご希望の先生方へ

呼吸器外科専門医取得後の研鑽の場としての当科での勤務も歓迎しております。当科では、1992年国内への胸腔鏡手術導入と同時に胸腔鏡手術を始め、胸腔鏡手術には30年の実績と経験があります。近年は、特に単孔式胸腔鏡手術(Uniportal VATS)に力を入れております。ご興味がある方の研修・ご見学を歓迎いたします。

研修施設としての当科の特徴

地域の基幹施設にある呼吸器外科です。大学病院やがん専門病院などとは異なる個性や特徴があります。当科や当院の特徴については、当科の初期研修医向けページ「当科で研修する理由」に詳しく記載しました。参照してください。

(1)胸腔鏡手術がメインです

当科の特徴は、何といっても『胸腔鏡手術』の実施率が高いことです。まず、この一点で、当科での研修の是非を検討してください。胸腔鏡手術を、深く集中して研鑽したい若い先生には、当科の環境は良い研修の場となるでしょう。

こだわってはいませんが、原則、完全鏡視下手術です。完全鏡視下胸腔鏡手術は難しい技術で、肺切除を初めて間もない人には、かなり敷居が高いです。しかし、その基本を知り、きちんと熟せるようになれば、肺癌や気胸に止まらず、ほとんどの呼吸器外科手術を、胸腔鏡下に実施できるようになります。私たちは、国内に胸腔鏡手術が導入された1990年代の初めから、胸腔鏡手術に取り組み、およそ30年にわたる実績と経験があり、ほぼ完成された手法を確立しています。令和時代に入った現在では、次のステップとして、単孔式胸腔鏡手術(Uniportal VATS)にも取り組んでいます。そのため、現状、標準手術のほとんどは単孔式胸腔鏡手術へ移行していますが、ノウハウが詰まった手術であり、早くからその一端にでも触れることは、次世代の呼吸器外科医にとって、大いに意義ある研修になると思います。

当科の手術(過去の所属施設で実施したものも含む)を収めたビデオは、日本外科学会、日本呼吸器外科学会、日本臨床外科学会ほかで発表され、学会のビデオライブラリーに複数登録収載されています。ご興味があれば、そちらもご覧ください(古いビデオには、期限を過ぎて登録解除されたものや、発表者の所属が、過去の所属施設のものもありますのでご注意ください)。

逆に当科での開胸手術は、(胸腔鏡では実施不可能な)難度の高い手術に限られています。開胸での手術が勉強したい人、術者としての経験を求める人には向きません。他施設を探すことをお勧めします。

既に専門医受験のための開胸手術の要件を、満たしているか、ほぼ満たしているなら、当科での研修にピッタリです。胸腔鏡手術の勉強には事欠きませんし、『○○時間内で手術終了』というような時間的ノルマもありません。最新の胸腔鏡手術の手技だけでなく、手術以外の診療技術や考え方も、同時に学んでもらえれば、うれしい限りです。幸か不幸か、今、開胸手術を術者として実施できる施設にいるなら、当科で研修する前に、開胸手術をたくさん経験しておいてください。

(2)呼吸器外科関連疾患が広く学べます

当科のもう一つの特徴は、決まりきった肺癌の肺(葉)切除しかしない肺外科ではなく、守備範囲の広いGeneral thoracic surgery(胸部一般外科)であることです。

肺癌、気胸、縦隔腫瘍が、主要三疾患であることは変わりませんが、第一線の臨床病院となっている当院へは、他院や他科から紹介される症例は、多種多様です。外傷をはじめ、重症筋無力症のような神経疾患、横隔膜ヘルニア、Slipping ribなどの胸壁疾患、原因不明の乳び胸、縦隔炎、膿胸のドレナージや剥皮術だけでなく、開窓術後の再建手術も行います。

大学病院やがん専門病院などと違い、診断未確定の肺腫瘤は、自ら診断を付けていくことも少なくなく、画像診断についても間違いなく、力が付きます。例え、将来肺癌の専門家となるとしても、診断能力や、その他の領域の疾患や病態の管理能力、そして肺癌以外の外科治療にうまく対応できるかどうかが、本当に一流の外科医になれるかどうかの違いになるのです。

麻酔科医は十数名(!)が常勤し、外科系診療科も充実しています。毎年、心臓血管外科や形成外科、整形外科、乳腺外科などと共同で行う手術があります。定型的な、がん手術に飽きているなら、当科の研修は良い選択です。

ただし、全国規模の臨床研究グループの中心で活躍したいなら、がん専門施設や大学などでの研修をお勧めします。もちろん当科でも、全国規模の臨床研究に参加しています。国立病院機構140余の病院グループで行う臨床研究を、自ら計画率先することもできます。科研費申請もできます。独自に臨床研究も実施しており、積極的に学会に参加し、発表や論文発表を続けています。

(3)一例一例を深く学びます

High volume centerと言われる膨大な手術件数をこなしている病院では、一例あたりの診察時間や手術時間は、限られてしまいます。勉強どころか、次々と流れ作業のように、割り当てられた仕事をこなすだけです。多分あなたが居ても居なくても、全体の仕事は粛々と進んでいくことでしょう。

このような環境に居たところで、忙しい中、仕事には慣れても、大して学べていないことに、すでに気付いているのではないですか。偉い人の横に居て、あなたまで、偉くなったような気になっていませんか?時々立ち止まって、自分の頭で考え、調べ、そして時々教わりながら、自分を鍛える。今必要なものは、そうした研修環境ではないですか?

当科では、そのような環境を提供します。定型的な肺癌手術を100例やっても200例やっても、同級生の間では、自慢になるかもしれませんが、規定より早く専門医が取れるわけでもなく、先輩医師からみれば、大した評価にはなりません。管理職は、誰でもできるような肺癌手術を、少しくらい速くできる促成の医者よりも、どんな状況にも幅広く対応できる応用力のある医者が欲しいのです。

なんとなくパーっと100例やるより、深く、時間をかけてジックリ10例やった方が身になる時期があります。初学のうちは、時間をかけて一例一例に学び、ある程度マスターしたのち、数をこなすようにすると、技術も知識も飛躍的に伸びます。今のあなたに必要な環境は、どちらでしょうか。

(4)学会発表や論文投稿のお手伝いをします

若い先生にとっては、診療よりも論文の執筆が、専門医取得への大きな関門になっているかもしれません。論文書きなど医者の本分ではないと、自分に言い訳していませんか?論文を書くことの是非はともかく、原稿を書き、仕上げて投稿するという一連の作業は、少なからず苦痛を伴うもので、モチベーションが維持できないと完遂できません。しかも、自己流が許されない科学の世界です。学会発表や論文投稿には、やはり早い時期に、良い指導者に恵まれないと、後々苦労するか、いつか恥ずかしい思いをすることになります。

私どもは、長年、多数の学術誌の査読や編集のお手伝いをしてきましたが、科学論文の体を成していない投稿原稿は、後を絶ちません。共著者の指導医は何を指導したのかと、疑いたくなるような原稿は多く、内容以前に、掲載不可の判定せざるを得ないこともあります。当科では、論文原稿作成の作業段階から、投稿、校正そして掲載後のことまで、丁寧に、和文でも英文でも、採用に向け、採用されるまで根気よく指導します。

(5)人事や診療内容で、特定の大学や教室からの干渉を受けない独立した診療科です

人材派遣や研究活動を含め、特定の学閥に所属しない、独立した診療科として運営しています。特に袂を分かっているわけでも、何か不祥事で独立したわけでもありません。ただ、つまらない干渉をしてくる組織や、人事や業績しか頭にない人たちの中にいるのが、好きではないだけです。

誰とでも、真摯に技術論を戦わせ、自己研鑽する、そういう外科医でありたい。手術はこうあるべきとか、外科診療はこうだという信念を実現するために、当科は開設され運営されています。TV番組ではありませんが、実力だけが頼りで、何かの時の後ろ盾はありませんが、縛りに囚われることが好きではないなら、一度当科での研修も検討してみてください。


【当科の姿勢~早く胸腔鏡手術を学んで次の時代へ】

手術部を歩けば、呼吸器外科手術に限らず、どの手術室も内視鏡手術だらけです。内視鏡手術を一時の流行と言う人もいましたが、どの領域においても、内視鏡手術はできて当たり前の技術。より新しい技術が模索されているのが、現状でしょう。当科では、当面の方向性として、単孔式胸腔鏡手術を主軸に定め、技術を磨いていますが、それすら5年後10年後には、すでに古い技術となっているかもしれません。

若い先生方には、常に時代の先端に立ち続け、新しい技術の追求を忘れないでいてほしいと思います。これから専門医を目指す世代なら、『開胸でマスターしたら胸腔鏡』などと言えるほど、余裕はありません。これからの先生方は、今の主流から学び、そこから過去を学べばいいのです。

【呼吸器外科医を目指す人へ】

現代の外科学には、天才的技能やアクロバティックな技術が必要な手術や処置など皆無です。箸でご飯粒がつかめる程度の身体能力と、国家試験に合格できるほどの記憶力に、僅かな論理的思考力と柔軟性があれば十分です。

技術を探求する者にとって、重要なことは、生涯にわたって学ぶ姿勢を持ち、向上心を失わないことです。人から学ぶ謙虚な姿勢を、少なくとも仕事をするうえだけでも、発揮できるならば、必ず一人前の呼吸器外科医になれます。

是非、私たちと一緒に、立派な呼吸器外科医を目指しましょう。

【当科で研修する際の身分】

初期臨床研修期間が修了し、後期研修(外科専攻医研修プログラムほか)として当科研修を収めたい先生は、当院常勤医(後期研修医)としての採用となります。初期臨床研修医は、病院所属の研修医としての採用になります。外科専門医(専攻医)取得済みの先生は、当科常勤医師として勤務していただくことになります。いずれも国立病院機構の職員(医員)としての身分になります。

研修医・専攻医の募集や常勤医の勤務条件などは国立病院機構並びに当院のホームページもご覧下さい。常勤医には定員があります。当科勤務に興味がある先生は、当科医師、あるいは当院人事担当職員まで遠慮なくご相談下さい。